俺の日常はお前らのせいでめちゃくちゃだっ!!
星野いおり
プロローグ
4月22日金曜日
僕は夢の中でお姉ちゃんとのある約束の夢を見てる。
「マーくん、大きくなったら私達、結婚しよう」
姉ちゃん何言っていんの?僕達、姉弟なんだしそんなの無理だよ。
「結婚してずーっと一緒にいよう」
「だって私達は……だもんな」
うん?よく思い出せないよ。
僕達何かあるの?
「姉ちゃん、結婚は無理だから諦めて!!って夢か……」
時刻は午前5時を廻っていた。
久し振りにこの夢を見たが姉弟同士で結婚は到底無理な話だ。僕の姉は一体何が言いたかったんだろう。
姉が考えている事はいまいちわからない。
とりあえずまだ時間があるから寝よう。
満開だった桜が散り地面に落ちて花弁が茶色くなって汚く見える。綺麗だった桃色の地面も今は茶色、掃除するのが大変だろう。
僕の名前は久野留マトル中等部三年。この私立星空学園の中等部生徒会長をしている。この学園は中高一貫校教育の全寮制の学園だ。普通の学校では学べないような事も学べる少し特殊な学園だ。
「おはようございます」
生徒達が校門に立っている僕達に挨拶をする。
「おはよう」
生徒達に挨拶を返していく。
生徒会の仕事の一環として毎朝校門の前に立って風紀委員の人達と朝の挨拶運動をする。
これが僕の毎朝の日課だ。
僕は今年念願の中等部生徒会長に晴れて就任した。
彼が登校してきたことに寄り女子生徒が黄色い声を上げた。
「きゃぁぁぁぁーーー!!!ソラ王子が来たわよ」
「唯野くん今日もかっこいいね」
「彼と付き合いたいな」
相変わらず唯野くんの人気は凄まじかった。
「セツ、今日はどうするの?」
一際目立つ容姿の僕のクラスメイト唯野ソラがこの学園随一の問題児セツナさんと一緒に登校してきた。
唯野くんは常に周りに女の子がいる事が多い、他の男子とも一緒にいるが女の子と一緒にいる割合の方が高い。
セツナさんは厨二病患者。かなり痛い。
「今宵は魔界への宴へ馳せ参じる」
なんか凄く意味わからないこと言ってる。
あれじゃあ誰もわからないよ。
「ふーん、なんかセツ最近忙しそうだよね。なんかしてんの?」
唯野くんは彼女の言った意味がわかるのだろうか?
「秘密だ」
というか彼らはどんな関係なんだろ?
いつも一緒にいるのを見かけるし、唯野くんは先輩であるセツナさんに対してタメ口だしあれは相当親密な関係なはず。
だが彼女は高等部1年だし唯野くんは僕とおんなじ学年だし接点が無いはずなんだけどな。タイプもまるっきり違うし。
まさか恋人同士なんて有り得ないよね……
唯野も目立つが彼女は悪い意味で目立っていた。鮮やかに染められた白銀の髪に眼帯で隠れてる片目と明らかにカラコンを入れてる様に思える赤い瞳。
セーラー服には学園指定のスカーフではなく水色のネクタイ。腰には黒いベルト。スカートは多分パニエというものを履いてボリュームを出していた。
ニーハイに黒のリボンが付いてるつま先が丸いヒール。
彼女はいくらうちの学園が校則ゆるゆるだからって度を過ぎたような校則違反の塊だった。
チラッと僕の方を見てる微笑んだ気がしたがきっと気のせいだろう。
「ちょっと、セツナ、貴方その格好はなんなの!今日という今日こそ、その格好どうにかしなさいよ」
風紀委員の桜庭ニカ先輩に足留めを喰らってたがセツナさんは気にせず足を止め。
「我を縛る事は何者にも出来ない」
とだけ言い唯野と一緒にさくさくと校舎の方へ進んで言った。
桜庭先輩は彼女を追いかけることなく半ば諦め気味に溜息を吐いた。
たしか桜庭先輩とセツナさんは同じクラスって言ってたのを前聞いたことがあるがクラスでもあんな感じだろうな。
「わぁ、セツナ様、今日もすごーいですね。でもクールでかっこよくって憧れちゃう!」
後輩の栗原サツキさんはセツナさんに憧れを抱いていたが彼女のどこに憧れるのだろう。女子って本当に謎だ。
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