第8話 絵具なんてもう買わん
ある日の休日。
次男が「絵具で遊んでいい?」というので、「いいよー」と答える。次男はダイニングテーブルに座ってパレットに様々な絵具を垂らすと、画用紙に筆で楽しそうに絵を描きだした。
私が他の部屋で用事を済ませてダイニングに戻ってくると、いつしか筆は放り捨てられ、次男は絵具を紙に直にたらして指で絵を描いていた。そういえば保育園でフィンガーメイン制作してたことがあったっけ、あれを思い出したのかなと思いながらダイニングを出るときに自室から降りてきた長男とすれ違う。
ここで長男の参戦により遊びが加速するということを、気づいておくべきだったと後になって思う。が、そのときは気づかなかったんだ。
次にダイニングを覗いたときには、長男次男ともに上半身裸になり、ありったけの絵具を顔と上半身に塗りたくって異様なテンションで踊っていた。
えっと……お前らはこれから隣村との戦いに挑む部族の戦士かなにかなのか?
とりあえず二人を風呂にぶち込んだが、風呂の水が魔界のスープみたいな色になった。
おら、もっと顔と体こすれ! あちこち絵具が残った体で風呂から出るんじゃない!
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