第11話 涙の保活

長男は1歳2か月で保育園に行くようになった。次男は会社の制度が変わってちょっと長めに育児休業が取れるようになったので2年11か月で保育園デビューした。


でも、保育園から内定をもらう活動……略して、保活。

もう二度としたくないくらい、神経すり減らしたね。

正直、就職活動よりも、自分の受験よりも精神的にきつかった……。



長男は、一番入所枠の広い1歳児クラスから入園希望ということで、さほど苦労なく保育園は決まりましたよ、ええ。

念のため、いくつか認可外保育園を見学して、その中で口コミで評判が良かったところに入園予約金(数万円)払って籍を確保。

そのうえで、2月の認可保育園の結果待ち。

結果は、近所の認可保育園に無事内定。30人の応募があったらしいけど、3人の募集枠の中に何とか入ることができました。やったー!



そして、無事保育園生活を送っていた数年後。


3年近い育児休業期間が明けることになり、次男にも保育園を探すことに。

その時には、長男はすでに小学生になっている年頃だったので兄弟優先枠は使えない。

けれど、長男が通っていた認可保育園が改装して受け入れ人数を増やしていたので、絶対はいれると思ってました。


……甘く見すぎてた。


秋には、認可外保育園も見学して、一つの園を入園予約。


これで、ばっちり。あとは、2月の認可保育園の結果を待つだけ。



2月上旬に、区役所から我が家に届いた封筒は……あれ? 長男の時と違って、薄っぺらい。

開けてみると、『不承諾』のそっけない文字。


認可保育園落ちた!!!!!


いや、でも認可外保育園に既に入園予約してるし。と、心よ落ち着けと言い聞かせながら、予約している認可外保育園に電話。


ところが、「ごめんなさいね。今年は思った以上に認可保育園に流れるお子さんが少なくて。申し訳ないけれど、猶さんの予約順位では入園させてあげることができなくなりました」という園長先生の素っ気ないお言葉。








………え?




もしかして、うちの子、4月からの保育園先が決まらない????





うわーーーーーーーーー、どうしよう!!!!!!!





慌てて、近隣の……いや電車で通える範囲なら数駅先まで認可外保育園に電話かけまくりましたが、どこも定員いっぱい。キャンセル待ち。




目の前真っ暗になりながら、キャンセル待ちしてもいつ入れるか分かりませんよと言われた認可外保育園に、なんとかそのリストの最後に乗せておいてくれと頼み込んで電話を切りました。





……どうするよ。


仕方ない、保育園が決まるまで、一時預かりで乗り切るしかない。

でも、近所の認可外保育園の一時預かりを1か月やると、約20万円。

毎月20万円の出費を、どこかの保育園の空きが出るまで続ける?

…………仕方ないよね(涙)。

復帰しないと、仕事辞めなくちゃいけなくなるしね。


貯金の残高を確認しながら、どこかの認可外保育園に入れるまで一時預かり耐久レースを覚悟した。







ところが、すっかり春っぽくなった3月中旬。

キャンセル待ちさせてもらっていた園の一つから電話が。

びっくりしすぎて話の内容がいまいち理解できなくて何度か聞き返しちゃったけど、園児の転勤や認可保育園への転園などあり、キャンセル待ちリストが繰り上がって、うちの子が入れることになったと………。



やったーーーーーーー!!!!!!!

4月からの受け入れ先が、見つかったーーーーーー!!!!!


ありがとうございます、ありがとうございます。よろしくお願いしますと何度も受話器を持ったままお辞儀しながら、気が付くと受話器握ったまま号泣してました。




良かった、本当に良かった。入れてもらえる保育園見つかったよ。

小さい園庭しかない保育園だったけど、それでも良かった。

ちなみに保育料は月7万円なり。これでも地元では古くからある老舗の保育園だったので、他の認可外保育園に比べて安め設定らしい。





結局、その保育園に2年間お世話になった。


その後も毎年認可保育園の申請は出し続け、電車かバスでないと行けない遠方の認可保育園に内定が決まったときには、次男は年中(4歳11か月)になっていた。そこは認可保育園とはいえ園庭もない小さい認可保育園だった。

でも、それでも4歳児1人の募集枠に数人の応募があったらしい。


小さいけれど、手作り給食のとっても美味しい園だった。次男は、卒園したあとも、よく『保育園のおやつで出てきたモンブラン、また食べたいな…』なんて呟いてる。


長男は、今も保育園時代の友達たちとはよく遊んでる。

長男の保育園も、次男の保育園も…卒園後もクラスの大部分の子たちと家族ぐるみの付き合いが続いてる。もはや我が家にとっては、親戚に近い感覚。子ども同士も、幼馴染というか兄弟姉妹みたいな感じ。


この土地に住み始めたときは、知らない土地、知らない人だらけだったけど。

子どもたちの園を通して、沢山の繋がりができて、それが大きな財産になってると感じる今日この頃。




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