8月14日


 本屋で本を購入した。身も凍るようなホラー、という帯の文句に惹かれて。

 さっそく本を開くと、部屋の温度がぐんと下がり、本の中から怪しげで油断ならない空気が漂ってくる。

 私は逃げ出したくなるのを必死で堪え、震える指で1枚1枚ページを捲っていく。

 ページが進めば進むほど、怪しく油断ならない空気が濃くなり、部屋の温度がぐんぐん下がってゆく。

 本を1冊読み終える頃には、私はすっかり凍りついていて、見動きできないまま怪しげで油断ならない空気に包まれ続けた。

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