虐げられてきた者達が復讐するだけの単純な話では無い。もちろんその要素は十分以上に含まれるが、その先に何があるのかを期待せずにはいられない。そういう作品だ。作者の数多い復讐を扱った著作の、現時点における完成形とも言うべき展開である。穢れた救世主とは一体何なのか、穢れでなければならない、穢れていなければ成し遂げられない事とは。ぜひ一読して見て欲しい。
色々な作品で「ざまぁ」を描き切った作者。単なるざまぁ、ではなく、その「行き着く先」を常に描いている。この作品は、報復なのか、救済なのか、あるいはそれ以外か。行き着く先が非常に楽しみな作品。