第23話 禿げの治療

三姉妹の一匹が、季節の変わり目になると禿げる。


皮膚病とかじゃない。毛繕いをやり過ぎて禿げる。


猫の舌はヤスリだ。じょりじょり舐める。舐める。舐める。禿げる。


禿げたところを舐めるから、皮膚が赤むける。痒いから舐める。


ちょっと歩いて立ち止まって舐める。


冬が近づくと、乾燥も加わって、舐める。舐める。禿げる。


エリザベスカラー着けたら、襟ぎりぎりを足で掻き続けて瘡蓋をつくる。


思い悩んで服を着せたら、この世の終わりのような顔になって動かなくなった。


色々と諦めて、服を脱がせ、カラーを外したら、急に元気になって舐める。舐める。


ただ、禿げ一歩手前で止めるくらいには落ち着いてきた。


・・・これ、毎年なんだ。


おまえ、そろそろ加減を覚えようよ?毛繕いのプロでしょ?

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