「宿命の枷」

煩先生

 

大洋に沈んだ

穏和な石鹸は

荒波を嘆いて

美しく融ける


清潔な血肉が

潮を撫でる程

存在の毒素に

可能性は死ぬ


夕闇に滲んだ

寡黙な口紅は

煉獄を願って

芳しく灼ける


厭世な色気が

骨を揺する儘

黄昏の詩情に

塵理論は熟む

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「宿命の枷」 煩先生 @wazurai

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