第108話しらじれな(俊成女)

しられじな

     夕べの雲を

          それとだに

               いはで思ひの

                     下に消えなば


                           俊成女(続後撰674)


知られてはいないけれど


夕べの雲が紅に染まるように


私の心は 恋に染まっている。


そんなことは伝えることはしない


そのまま 心に秘めたまま 


私など 消えてしまえばいい



※前回に引き続き、俊成女の歌。


複雑で強い恋心を典雅に詠みあげている。

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