夏の風雲編

第31話 シミュレーターからの出直し

回復した虎太郎は、夏の補習キャンプに参加していた。


それぞれの適正や傾向を判断され、同様のカリキュラムの仲間と班を作り受ける。


「俺はチャーリー、宜しく♪」

同じ班で同部屋になった、赤毛のアフロヘアーな少年が微笑む。


「俺は虎太郎、よろしく。」

虎太郎も挨拶をする、チャーリーと虎太郎は打ち解けるのは早かった。


女子のメンバーである金髪ポニーテールのシドニー、お下げピンク髪のリン。


虎太郎と共通点は、自分の機体をスクラップにしたと言うことだ。


「あ~、私のスターライトが~!!」

シミュレーターで、白と金を基調としたレーシングカーのような胴体の機体

が無慈悲にも爆発する。


シドニーの愛機、スターライトはスピード特科の格闘型。


「おはんの機体、持久戦にはきつかろう。」

班内での対戦訓練で、スターライトを爆破したのはトックミオーだった。


「あんたの機体、堅過ぎ!!」

キーッ!!と悔しがるシドニー。


そんなトックミオーも、リンの機体であるニンジャとの対戦では

「分身!!しかも全部偽者で本体は遠距離からの狙撃!!」

と叫び敗北を喫した。


そして、リンのニンジャもチャーリーの機体であるレッドオウルとの対戦では

「隠れていても空からは丸見えだぜ♪」

空中からミサイルの雨と、火の鳥となっての体当たりに撃破された。


それぞれが勝ち、それぞれが負ける。


この対戦ゲーム大会のような訓練が、各自の新たな機体への産みの苦しみとなる。





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