第30話 そして夏が来る

かくして、オモイビト達の試験は終わった。


勝利に喜ぶ者、補習に泣く者どちらにも等しく夏がやってくる。

もちろん、病室で寝ていた虎太郎にも。


「・・・・・・あなたはまた無茶をして、本当にもう♪」

グレンダが虎太郎の世話をする。


「まあ♪良い体してるわね、虎太郎君♪」

セイロンが入ってきて、頬を染める。


「何をしにきたんですの!!」

グレンダはギリリとセイロンをにらむ。


「お見舞いよ、お・み・ま・い♪ 紅茶とスコーンよ♪」

バスケットとティーポットを見せるセイロン。


「・・・・・・あいがとさげもす。」

セイロンに礼を言う虎太郎。


「私には、何か言うことはありませんの?」

グレンダが虎太郎をにらむ。


「・・・・・あいがとさげもした。」

グレンダに礼を言う虎太郎。


「ふふふ、楽しいわねこの気まずい雰囲気♪」

セイロンがにやりと笑う、悪い笑顔だ。


「魔女の言葉に耳を貸しては行けませんわよ?」

グレンダが虎太郎の手を握りながら告げる。


「あら、私はすごく良い魔女よ♪」

グレンダの反対から虎太郎によりそうセイロン。


「・・・・・な、なんしょっと!!」

セイロンの行動に驚く虎太郎。

グレンダも負けじと、自分の胸に当てながら虎太郎の腕を取りロック。


「あら、関節技じゃ愛はえられないわよ♪」

セイロンがからかう。


・・・・・・この後、グレンダとセイロンはナースコールで駆けつけた

医療スタッフに追い出される。


虎太郎が退院するまで、グレンダとセイロンのラブアタックは続いたのであった。


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