第12話 虎とお嬢様の休日 序
休日の朝、虎太郎は艦内の自室で寝ていた。
夢に見るは炎、巨大な包丁や棘だらけのトカゲに芋虫。
ヒルコ獣が故郷の
のライフラインは壊され爆発し火災が起こる中で人が潰され食われる。
自分達の営んできた暮らしが、抗う事もできずに壊れる。
巨大な災厄に逃げる事しかできず、気が付けば全身が包帯まみれの自分。
伝来島は、日立国政府により本土防衛の時間稼ぎの捨てがまりにされたのだ。
普段はそこで目が覚める夢、だが新しく金髪の女が出てきて。
「・・・・・・起きなさい、虎太郎っ!!」
グレンダは叫び、うなされる虎太郎をゆさぶる。
何故グレンダが虎太郎の部屋に入って来たのか?
グレンダは虎太郎を放置しておけないと感じていた。
彼女は見た目は、金髪縦ロールで胸が大きいとライバルヒロインの
お嬢様だが面倒見が良く優しい母性が強い性格である。
・・・・・・強引な、肝っ玉母さん的な母性であるが。
「・・・・・・あばっ!!」
ガクガク揺らされ頭を打って痛みで目が覚める。
「起きましたわね?では、着替えて朝食を取りましょう。」
目が覚めた虎太郎はグレンダに促されて着替えを始める。
グレンダは出て行く様子がない、恐らく強制的に着替えさせられる。
だが、そんなグレンダに虎太郎は安らぎを感じていた。
身支度を終えると、グレンダに引き連れられて基地無いの食堂へ。
「・・・・・・先輩が何で俺の所ば来よっと?」
シメサバ定食を食いつつ方言混ざりの言葉で尋ねる。
「貴方は私のバディです、バディの面倒を見るのは当然です。」
こちらはビーフシチューセットを食べる手を止めたグレンダ。
虎太郎はグレンダをそれ以上追求せず食事を続け、グレンダも
同じタイミングで食事を終える。
食器を片付けて、虎太郎は艦の自室に戻ろうと背を向けたところで
グレンダに腕を絡め取られる。
「お待ちなさいな♪私に付き合っていただきますわよ♪」
グレンダは笑顔と優しい声とは裏腹に虎太郎の肘関節を自分の
腕で極めていた無理に解こうともがけば折れる。
・・・・・・虎太郎は諦めて従うことにした。
傍からは仲の良いカップルに見えるが、虎太郎は捕らえられた猛獣だった。
食堂を出た二人は学園を出て商店街へと出かけていくのであった。
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