挌闘ロボ トックミオー

ムネミツ

俺達オモイビト編

第1話 まずはバーチャルで

21世紀の中盤、生き物の精神に反応して様々な現象を引き起こす

金属『オモイカネ』とオモイカネと共感し超人的な異能力を振るう『オモイビト』が

世に登場した。


そして、オモイカネとオモイビトの登場にあわせるかのように次元の彼方から全宇宙共通の敵とも言える邪悪な存在『ヒルコ』が現れ全宇宙に侵食を開始した。


ヒルコとヒルコに操られた存在や、異能の力を振るう邪悪にに立ち向かえるのは

オモイビトだけだった。


戦いの中、人類はオモイカネを素材とした巨大ロボット『戦人』を誕生させる。


そして人類は、生身でオモイビトを戦わせる戦法からオモイビトをロボット

に乗せて戦うというドクトリンを構築した。


全宇宙に大ロボット時代が訪れたのである。


だが、都市部に巨大ロボットとか常駐できるスペースは少ない。


それは、宇宙にある地球と同タイプの移民惑星ネオアースでも同じだった。


ネオアースの東方にある日系移民の国、日立国ひたちこく

巨大な人工島、その名も田力島たぢからじまを建設した。


田力島には、オモイビトの訓練学校兼軍事基地の国立戦人学園こくりついくさびとがくえんが設立され

生徒達は日々青春を過ごしていた。


そんな学園の一室、シミュレータールームではコンピューターを操作している

銀髪で痩せた眼鏡の少年。

そして球体状のメカの中で日系人の、がっしりな体つきの少年が何やら励んでいた。


虎太郎こたろう、この力士だか武者だかわからん戦人のデザインはなんだ?」

眼鏡の少年がインカムで、球体の中の少年に向けて語る。


球体の中の少年は手足と顔に何やらメカをつけて手足を動かしていた。

「ヘルマン、こいがおいの戦人、トックッミオーじゃ。」

虎太郎と呼ばれた少年が、四股を踏むとヘルマンと呼ばれた少年が見るモニターでは

赤いカラーリングのロボットも四股を踏む。


薩摩弁混じりに話す、日系の少年の名は赤城虎太郎あかぎ・こたろう

銀髪の少年はヘルマン・ヴォルフ、二人とも国立戦人学園の一年生だ。


1年生はまず、自分達がどんな戦人に乗りたいか?


と言うイメージを作り、ロボット物のゲームのような

シミュレーターの中で機体を試作する所から始まる。


ヘルマンはすでに、指揮官型の機体を完成させてデータを登録済み。

寮の同室である虎太郎の、機体作りを手伝っているのである。


虎太郎の理想とする機体は近接格闘特化型だが、飛び道具が飛び交う

戦場で自機に一つも飛び道具が無い事をヒアリングしたヘルマン。


こいつだめだ、ほっといたら死んじゃうと思いテコ入れをして漸く

課題提出期限に虎太郎の機体のモデリングデータが完成したのだ。









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