歌仙「繭車の巻」
り(PN)
歌仙「繭車の巻」
歌仙「繭車の巻」(流出子・北窓・冬泉)2016/05~11月
一枚目の表―――――――――――――――――――――――――――
発句【夏】(初折) 繭車今年の糸をひき始め(北窓)
脇 【雑】 まよいみだれて夜は明け易く(冬泉)
第三【夏】 土用凪振子ばかりが向き変えて(流出子)
四 【雑】 ああほんとうだ灯台が見える(北窓)
五 【秋】(月) 月を演じくるめく言語哲学者(冬泉)
六 【秋】(折端) 擂鉢原に溢蚊キラリ(流出子)
一枚目の裏―――――――――――――――――――――――――――
一 【秋】(折立) 菊人形こそばゆくとも動かざる(北窓)
二 【雑】 検索したり転失気したり(冬泉)
三 【雑】 都々逸の歌声細し支那の夜(流出子)
四 【雑】 舟から囃す対岸の火事(北窓)
五 【雑】 観音へ逢いに来たやら南やら(冬泉)
六 【冬】 ひがひがしからん えにしありけり(流出子)
七 【冬】 まだ小春つめてえ風もほろよいに(北窓)
八 【冬】(月) 塒(ねぐら)の雲を照らす寒月(冬泉)
九 【雑】 Knockin' on Heaven's Door 本が好き(流出子)
十 【雑】 狂える金剛石を透かし見(北窓)
十一【雑】(花) 供花燦々ラスト・ワルツはしめやかに(冬泉)
十二【春】(折端) 焼野に立つや雨降りいでぬ(流出子)
名残り(二枚目)の表――――――――――――――――――――――
一 【春】(折立) 夏近し白きシャツなど買い求め(北窓)
二 【雑】 衿元に刷く香の虚無(ヴァニタス)(冬泉)
三 【雑】 善人の頭蓋骨(とうがいこつ)を拝みせば(流出子)
四 【雑】 話し相手が杖ついて来た(北窓)
五 【雑】 一身に三世を経て十四歳(冬泉)
六 【雑】 プラグスーツの色も鮮やか(流出子)
七 【雑】 幸福な河童が理想なんだけど(北窓)
八 【雑】 穂麦揺らして疾(はし)る機関車(冬泉)
九 【雑】 傍目にも判るエイダの父親似(流出子)
十 【雑】 レマン湖畔の夜に話して(北窓)
十一【秋】(月) 月満ちて顔の無い児が這うて来る(冬泉)
十二【秋】 藻に棲む虫はわれからと鳴く(流出子)
名残り(二枚目)の裏――――――――――――――――――――――
一 【秋】 笑い茸ごちそうするから忘れなさい(北窓)
二 【雑】 お釈迦さまでもアッチョンブリケ(冬泉)
三 【雑】 もう一度二人に還る溶鉱炉(流出子)
四 【雑】 ほどけ続ける糸の稜線(北窓)
五 【雑】(花) 花の雲靉靆と股のぞきして(冬泉)
挙句【春】 子猫がじゃれる からころころろ(流出子)
――――――――――――――――――――――――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます