読書記録

葉月 秋

読書記録一、道化に就いて。

こういったサイトで書き始めてみたものの、何を書いたら良いのかすぐには浮かばないし、自分には人より優れているものも無く、自慢出来るようなものも持ち合わせていないことに気付き少し落ち込む。

まずは読書記録を書こうと思う。


最近、数年ぶりに「人間失格」を読んだ。


人間になりたいと願った人間の話。決して優秀な、特別なものではなく、世間に紛れて目立たないような人間。それこそが彼の望みであった。

自分は所謂人間ではなくただの道化だと自問自答し続ける日々は、どれほど生き辛いだろう。

常に心の深淵にある侘びしさと、それを埋めるための手段を用いても更に淵は深まるばかり。


結局彼に救いは訪れないし、救いを求めることも諦めてしまった。

万人が望む「普通の人間」として生きていくことは容易いことでは無く、そう演じてでも生きることを強要される世の中は彼には合わないのだろう。

彼にとって、世の中から隔離された結末こそが最たる救いであったと思いたい。

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読書記録 葉月 秋 @hatsuki88

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