電波系R指定童話

高叢阿斗

本編

えびえび

第01話 怪奇 柳醜女子

 朝とは思えない程に淀んだ空の下、生温い空気のうねりがグラウンドの周辺を囲む木々のシルエットを揺らしています。


 校舎の各教室の蛍光灯だけが青白く光っています。その明かりに仄かに照らされながら木々の枝は一斉に同じ動きをしており、何かの儀式で祈っている手のようです。


「——まただ、また誰かに見られている気がします。これって自意識過剰ってやつかしら」


 友人の伸宏のぶひろくんと話していた白塗り顏の鎮太郎しんたろうくんは教室の窓から山の方を眺めました。


 以前校内で流行った噂に、学校の向かいにある「黒杉山」の山小屋に関するものがありました。


 山小屋には女の子が住んでおり、その女の子は顔の横半分だけを山小屋の窓から“にょろっ”とはみ出させ、長い睫毛と見開いたつぶらな片方の眼球をぎょろぎょろと動かしながら、授業を受けている生徒達を朝から夜更けまで、つまり誰も居なくなっても楽しそうに眺めている。


 そんな奇怪な噂でした。



 その日も地獄中学校の空は分厚い雲が覆い、薄暗く、色を無くしたような山は一層黒く見えました。


 鎮太郎くんが教室の窓から山の方を見ても、真っ黒に生い茂る木々が手をわらわらと振っているように揺れているだけで、山小屋のようなものは見当たりません。


(やれやれ、どうやら今日も山小屋とやらを、ここ、教室から見つけることは叶わなそうですなあ)



「時に伸宏くん、君はその山小屋を実際に見たことがあるのかい」


「山小屋?はて、何のことですやら。くっくっくっ」


 伸宏くんは人を小馬鹿にしたように笑いました。


「ほら、あの学校正面の山にある、と昔言っていたじゃあないの。まさか嘘なのかい。殺すぞ」


「え?はっはっは。まさか君、怖がっているのかい?……おや」


 ふと伸宏くんは何かに背中を押されて体勢を崩し、もう少しで倒れてしまうところでした。


「うむ、誰だ」と伸宏くんが振り返ると、

 二人の背後には長い毛の塊が立っていました。


 女子のやなぎです。


 柳は、いつもうつむき加減で顔の半分近くが髪の毛に隠れています。



 ———最低だ。見給え、柳です。


 ———ええ、如何にも、間違いなく柳です。



 鎮太郎くんは黒髪の隙間から覗く柳の目と目が合いました。


「えへ、げへへ」


「………」


(ぐ、本日も気持ちが悪い。この薄気味悪さ、此奴こやつこれでも人ですかっ)


 鎮太郎くんは先程から感じていた妙な視線とはこの柳なのかしら、と思いました。


「ひひ、うひひ」


 ぶつかったままニタニタ笑っている柳の態度に、伸宏くんは目尻をヒクつかせ、額に血管が浮き上がりました。


「おい、なんか……、謝るとかしてくださいよ、醜女ぶす(※後述)」


 柳のじとっとした視線は伸宏くんを無視して鎮太郎くんに真っ直ぐ注がれてます。


「その、へ……、へへ」


 柳の口が横に変な風に広がりました。


「へへ、へ、ご、ごめんねえ」


「………」


(た、耐えがたいっ! ゴムで出来ているような妙なシワを浮き上がらせた笑顔だ。それに貴様が身体をぶつけたのは僕では無くて伸宏くんの方でしょうが。何故僕に謝るのですか)


「ぼぼ、ぼ、僕ではなく、接触があった伸宏くんへ謝罪すべし」と鎮太郎くんはぴっと柳を指差して言いました。


「う、うへへ。うん」


 その言葉に従い、柳は伸宏くんの方へ頭をグルリと回しました。


「ひぃっ」


 そして腕をわしわしと伸ばすと伸宏くんの二の腕を“べちょっ”と触りました。


「……っおい。おいっ、君ぃ!触ってくれるな!」


 伸宏くんが慟哭どうこくしても柳の手はわしっ、と伸宏くんのシャツをひっ掴んだままです。


「ごめんなさい、醜女ぶすでごめんなさい」


 柳にはぶつかった、という意識は無い様子で、鎮太郎くんに「謝罪すべし」と言われたので取り敢えず自分が不細工なことを詫びたようでした。


「離せぃ、離せぃ!」


 全身にブツブツと鳥肌が泡立ってしまった伸宏くんは、思わず柳の手を振り払いました。


「分かったから、もうよいから、許しましたので、消えて下さいね、この世から」


 柳は後退りするようにして二人から離れました。その表情は少しだけさびしそうです。


 鎮太郎くんと伸宏くんは柳が遠くにいってくれたと思って、束の間、安心しました。


 しかし鎮太郎くんの視界の隅に、少し距離を空けてこちらを見つめる黒い影が消えません。


 もちろん柳です。


「………」


 鎮太郎くんは柳の方を見ないよう、正面の伸宏くんに向けて引きつった笑顔を作りました。


「いやあ、今日も授業が始まりますな。いつも通り、あっははは」


 こちらはこちらで楽しい話をしておりますので、あなたなどは見えてはおりませぬよ、ということを柳に暗に伝えたい訳なのです。


「そうですなァ、しかし今日は何かクサいですね。教室内に乞食が存在するとでも?」


 そう言った伸宏くんも、柳の気配が消えないのを感じ取った様子で、柳を二人で迫害する方向で協調する展開を暗に提案しました。


「ふひ、ワトスン氏、何を仰りますやら。ここは教室、乞食のように不潔な存在などがある訳もなく!」


「……ふへ、……ひ、ひどい」

 柳はそう呟くと離れた場所にある自分の席へ戻りました。


「………」

「………」


(鎮太郎氏、時に、君、あの女に好かれているのではないかしら?)

(シッ……、聞かれます)


「……あら」


 丁度その時のことです。ふと、学校中の教室の青白い光が一斉に消え、周囲は一層暗くなってしまいました。


「て、停電?」




***




 ———教頭先生よ、停電、これの原因は不明ですか?


 ———ええ、数学の先生よ。この私、教頭先生も率先してまあ色々やってみていますけどね、フフフ。本日のところは電気は直らないやも知れぬ。あらかじめ、ご了承下さい。


 ———では我ら先生一同は、授業をどうやればよいの。


 ———……、ですかね。


 ———教頭先生よ、自明のことを言いよるわ。しかし何なのですか、この暗さときたら。未だ午前中だというのに。夜のように暗い。


 ———数学の先生よ、それはいつものことじゃあないの。何せここは地獄、日なんて差した試しが無いじゃあないの、あらかじめ、ご了承下さい。




***




 鎮太郎くん達の教室の闇に、ニタリとした禿げた中年の丸い生首が浮かびました。

 そしてその顔は「うばあ」っとおどけた調子で言いました。


「うわん」「きゃッー」


 教室がどよめきます。


 黒板の前に浮かんだ数学の先生の生首は「暗黒に包まれし我等。いざやらん、まさに、授業を」と呟きました。


 教卓に立った禿げた頭の先生は。「その日、教室は真夜中のように黒かった……」と呟きながら顔を下から照らした懐中電灯を消しました。


「カッカッ!カカッ、カッ!!」


 先生がチョークを黒板で削る音と擬音の独り言が硬く教室内に響きます。


 教室の闇は視界が無くなった分、いつもより音を良く通すように思えました。


 再び“カチッ”という音が響いて懐中電灯の眩い光が刹那、壁面や天井を跳ね回りました。そして禿げの先生は黒板に書かれた文字を照らしつけました。


「さあ、生徒共、これをかけ」


 何度か黒板上の文字を懐中電灯の光が往復します。


(うーむ、目が眩んでしまってノートがよく見えませんな)


 ふぅーっ、ふぅーっ。


 ふと首筋に感じたこそばゆさに、鎮太郎くんは思わずペンをノートの上に落としました。


(こ、この薄気味悪い気配は……)


 それは吐息でした。自分の背後に曲者が立ち、首筋に息を吹きかけておるのです。




 鎮太郎くんは後ろを振り返り、吃驚仰天びっくりぎょうてんしました。




「 ず っ と て い る 」


「ギョッ!」


 それは鎮太郎くんが食堂でトレイを持って並んでいた時のことでした。


柳が直ぐ後ろに居たのです。


 暗黒の海で、生徒達は列を成して前に進んでいきます。

「ずっと観ている」と言われましても、何と反応すればよいのやら。

 迂闊うかつに「何が何をです?」などと言って「柳が鎮太郎様を」なんて応えられたら、余計に始末が悪い、そんなことを鎮太郎くんは思いました。


 彼らの学校の昼食はビュッフェ形式でした。しかしこの日は謎の停電があり、長机の上に陳列されている様々なおかずは全て黒い塊にしか見えません。


「げへ、げへへへ」

「………」


 鎮太郎くんは適当に選んだ何かをさっさとトレイの上に乗せると、柳から距離を取るためにずんずんそこから離れ、長机が並ぶ食堂内の適当な空席に着きました。


(しめしめ、引き離してくれたわ)




「鎮太郎くん、最近、柳さんとよく話すのですね」


 ふと隣から知る声がしました。

 それはとても柔らかい声でした。


「さささ佐倉さくらちゃんかい?」


「ええ、そうよ。私の名は佐倉……、秀美ひでみ!」


 暗くてよく見えなかったのですが、その声から鎮太郎の脳裏に佐倉ちゃんの可愛らしい顔が「すきよ」と言って口付けを飛ばすような幻影が浮かびました。


 そう、彼は佐倉ちゃんを愛しているのです。


「や、やあ、失敬。気付けば馴れ馴れしく隣に座っている、この鎮太郎。申し訳ございませぬ」


「あら、さして問題は御座いませんわ」


 闇の中で佐倉ちゃんの声が優しく応えました。


「ふう、やれやれ、そ、それは安心したなあ。では、その、これも何かのご縁ですので、共に食事を楽しみましょうよ、今日のところは」


「ええ、喜んで」


 その時、二人の正面に妙な臭いを発する誰かが座りました。しかし憧れの佐倉ちゃんの隣の席にありついた鎮太郎くんは胸が高鳴ってそれどころではありません。


「というかですよ。柳に関してですが、最近僕に馴れ馴れしいというか、少し困ってる位なのであって、決して仲が良い、という訳では無いのですよ。断じて」


「あら、そうなの。勘違いしてしまったわ、あたい」



 ———その、やっぱり、二人はい仲なのかなっ……て。



「……え、そ、そんな訳がある筈ないじゃあないかっ。うは、うはははっ」


「……そう」


「………」


(もしや、もしや佐倉ちゃん、僕にお熱なのでは……)


 暗い空間に於いて好意を抱いている女の子の隣に座るというのは、何か胸の鼓動が強く打つような感覚がしました。


 それから暫くの間、何も会話は無く、食堂中から食器が小さくカチャカチャと鳴っている音だけが聞こえました。


「………」


(い、今なら親しく喋っても何もおかしくは無い状況であるからして、言わなければ、つまり何か気の利いたことを……)


 鎮太郎くんは闇の中で手をガクガクと震わせながら何か話題になりそうなことを探しました。


「や、やあやあ!何ですぅ?これわ。びっくらこいた、びっくらこーいたっ!」


 鎮太郎くんはおどけた様子で声をあげました。


是如何これいかに?」


佐倉ちゃんが言いました。


「様々な種類を選び取ったつもりだったのですがね、皿の上に山のように乗っておるのがどうやら全部、海老えびのようなのです! はは、おっちょこどっこいなこの鎮太郎! 笑止!」


「ええっ、すべて海老? それは確か?」


 鎮太郎くんの前には山盛りの海老が乗った皿がありました。


「……しまった」


(咄嗟の余り愉快な会話の展開に繋がりにくい話題を選んでしまった様子ですね。もう、鎮太郎の馬鹿っ。しかし時、既に遅し。押し切るしかあるまいて)


 鎮太郎くんは意を決して「ほれ、この様に」と煙草を吸う為に持っていたマッチを擦り、トレイの上の真っ黒な山を照らしました。


 トレイ上の山盛りの海老がマッチの灯火に浮かび上がり、そのニオイの塊が鼻先にまとわりつきました。


「うぞうぞうぞうぞ」


 マッチの火が揺れると、陰影の加減で海老達が未だ生きており、うぞうぞと細い足を蠢めかせているかのように見えます。というより実際に生きている様子です。


「あら、まあ。これだけ山になっていると、若干気味が悪いものですわね」


「………」


(ど畜生め、やはり沈黙の上で海老を喰らっておれば良かった)


 鎮太郎くんは海老の話題を持ち出したことを後悔しながら額をボリボリと掻き毟りました。闇の中で血がつぅっと顎まで垂れ、机の上にポタリと落ちます。


(それにしても、何なのだろう。この感じは)


 やけにその海老の塊は鎮太郎くんの中の何かを連想させる薄気味悪さを持っていました。


(この、うぞうぞとした感覚、何かに似ている。……嗚呼)


「柳だ、この海老、柳を見た時の印象に似ている」


 鎮太郎くんは仔海老がぞわぞわと蠢く沼を掻き分けて浮かび上がる柳のニヤついた顔を脳裏に見てぞっとしました。


「ぐへへ、海老ばっかりだね、鎮太郎くん、ぐへへ」


「ギャッ」


 正面の席に座って居た柳が闇の中でそう呟き、鎮太郎くんはビクッと揺れて思わずフォークを持つ手を握りました。


「ちょっ、ちょいとあなた! いつの間にそこに座っていたの! 僕らの会話に割って入らないで頂きたい! 醜女ぶすにはデリカシーってものすら無いのですか……、おや、佐倉ちゃん、どうしたというの」


 鎮太郎くんの隣に座る佐倉ちゃんの息遣いが乱れています。


「佐倉ちゃん……?」


 佐倉ちゃんの口からは小さな泡がぷくぷくと出ているように思えました。


「少し気分が悪くなってきて、その海老の山を見てから。恥ずかしい、わたくし、思いっきりここで反吐へど出したいわ」


「ああ、大変申し訳御座いませぬ。それがしの不徳と致す処!」


 状況が分かっているのか何なのか。相変わらずげへげへと笑ってこちらを見ていた柳が突如身を乗り出し、佐倉ちゃんの皿にスプーンを伸ばしました。


「え、海老が嫌いなんだね。じゃあ、私、喰っちゃおっかな、喰っちゃう、貰うよ、げへへ」


 柳はスプーンに佐倉ちゃんの皿の上の海老を乗せると、わらわらと脚を動かすそれらを大きく開いた口の中に入れました。


 あっ、あっ、あむふう。


 ゆっくり味わうように柳の顎が動く度に、口の中からきゅうきゅうという断末魔が聞こえます——海老の。


「う、う……うげばァッ!?」


 その音を聞いていた佐倉ちゃんは後ろに反ってバランスを崩すと、そのまま椅子ごと後方に倒れました。


 がごぉん。


「あばむ」


「ああっ!佐倉ちゃん!椅子ごと後方に倒れた!」


 鎮太郎くんは立ち上がり絶叫しました。


「醜女!貴様が佐倉ちゃんの海老を食べたからぁ!!」


「ぶへ、何を言ってるの? 海老がいやそうだったから食べてあげたのよ。へ、……へへ」


「な、何をぅ、このビチグソ……! おや、あ、あらら?」


 床の方から何かバタバタと音がします。


「佐倉ちゃん!」


 鎮太郎くんがマッチを擦り照らしてみると、佐倉ちゃんが白目を剥いて泡を吹き、何やら痙攣している様子です。


「ゲゲゲ!ゲゲッ!ゲゲゲゲッ!」


「見ろ!貴様、この佐倉ちゃんの有様を! 早々に謝罪せよ!」


「へへ、さ、佐倉さん。ぶ、醜女ぶすで、ごごごめんなさい、……えへ、おいし」


 柳は片手間に謝罪しながら、ワラワラと動く海老をどんどん口に運んでいきます。


「そんなに海老が食べたかったら自分で取ってくればいいじゃあないのっ」


 鎮太郎くんは柳をピッと指差しました。


 食堂に響く他の生徒のカチャカチャという食事の音の中、佐倉ちゃんの口からは黄色い泡がげろげろとたくさん出てきます。


 柳はまたグイッと身を乗り出して熊手のように筋張った手を突き出し、佐倉ちゃんのトレイを引っ掛けると、自分の前にひっぱりました。


「ふひ、もっと、もっと食べるよっ」


「おい、ああーッ! 誰か、助けてくれ、もう嫌だこの女は。また人のものを食べ……、海老、あーッ!!」


 鎮太郎くんは顔じゅうを掻き毟り、血塗れになりながらムンクの絵画のように絶叫しました。


 そんな鎮太郎くんを他所よそに、柳はスプーンを床にぶん投げると、両手の指でテーブルの上を跳ねまわる海老を摘んでは口の中に放り込んでゆきます。



 ———手の方が早いのです。



「勿体無いもん、だって私、海老みたいって鎮太郎くんさっき言ったでしょっ、だから、残さず食べるよっ、邪魔しないでね!」


「ゲゲゲッ!ゲゲ!ゲゲゲゲゲッ!」


 柳は「辛抱堪しんぼうたまらん」と叫び、鎮太郎くんの海老の山盛りのトレイも取り上げました。


「やめろ、それは、それは僕の海老だぞ」


「うごあァあッ!?」


 次の瞬間、海老が潰れて飛び散りました。

 柳が海老山に顔を突っ込み、顎をグチャグチャと動かして食べ始めたのです。


いやヨ、僕等ヲ食べナイデネ」


 生きている海老はぴょんぴょんと跳ねて柳から逃げようと必死です。


 鎮太郎くんは慌ててテーブルの下をくぐり、柳の側に移動しました。

 そして海老山に沈んでいる柳の頭を引き剥がそうと髪の毛を泣きながら後ろに引っ張りました。


「やめて下さい。もう、やめてくださいましぃ」


「ぐひ、ぐひひひ! 鎮太郎くんが海老を好きなら、私は海老を死ぬ程食べて海老になるよッ!」




 その時、

 黒い校内にチャイムが鳴り響きました。


 チャイムは黒い廊下に、黒い下駄箱に、校長室の黒い性器に、女子トイレの黒い汚物入れに、黒い真っ黒に真っ黒く響き渡ります。


 がらーん!


 ごろおん!


 がらぁーんごろおぉん!!




 ※醜女(ぶす)

 一般的な動物のブスに相当する。生物学的にはブス性の根拠は、まずブス性外性器および内性器に求められる。出生時にブス性外性器の存在が確認されたブスは、とりあえずブスであるものと認められる場合が多い。

 現代医学の立場から言えば、外性器だけでなく内性器もまた重要である。ブスは、卵子を生産し種々のホルモンを分泌する卵巣、胎児を体内で育てるための子宮といった器官を持っている。

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