境界の学校〜AMATSU〜

おしゅれい

天津高校

あなたは翼の生えた人間を見たことがありますか?

はたまた喋る猫であったり、空飛ぶ魚であったり。

それは夢お伽話の世界の話。

普通の人であれば、有り得るはずのないことだと、鼻で笑うかもしれない。

……普通の人であれば。

僕? 僕は一応人間ですよ。

ああ、僕が誰かって? それはまた後ほど教えますよ。

今は僕のことなんかよりこの学校について話をしていたいんです。


ーー境界の学校。

人の住む地と、妖の住む地の境にあるからそう呼ばれていますが、『天津高校』なんていう普通の名前があるんです。

天津の人達はとても個性豊か。

本当に、色んな人がいるんです。

人間と妖怪。その他諸々の色んな種類の者達。

それらがなんてことなく共存している生活は、ちょっと見方を変えれば奇跡なのかもしれないですね。

でも、ここではそれが日常なんです。

……あなたにはこれから、そんな日常を覗いてもらうのですが。


「……スズ? 誰に話してんの? 独り言?」

「ごめん、気にしないで……!」

おっと、そろそろ時間みたい。

……僕のことが知りたいですか?

後できっとまた会えますよ。

その時にきっといくらでも知れます。


さあ、あなたも楽しい天津ライフを!

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