プロローグ2

今まで、楽しい事が無かったなんて言わない。俺には信頼出来る友達もいるし、充実した生活も送っている。

ただ何時からだったか何がきっかけだったかを思い出すことは出来ないが、俺は大人が嫌いだった。

平気で嘘をつき俺達子供を騙して、結局自分の事しか考えない大人が嫌いだった。

そんな大人ばかりでは無い事くらい頭の中では分かっている。

しかし、どうしても今更大人を信じる事なんか出来なかった。

だか、こんな世の中では、子供の数は圧倒的に少ない。いつか俺も大人になるのだ。

あの醜い大人に、、。

そんな者になる位なら、俺は今ここから落ちて死んだ方がマシだと考える。

だから今日は何時ものように学校が終わっても帰らず、屋上で夕焼けを見ていた。

何時もなら綺麗だと素直に思うのだが、今日の夕焼けは皮肉めいた物に見えた。早くいけと俺を急かしているようにも見える。

そんな事を長々と考えていると夕焼けは段々空の彼方へ消えていく。

俺は疲れていた。心も身体も。

その辛さから早く解放されたかった。

そう思うと体の力が一気に抜けて、俺の体は空中に放たれた。

段々地面が近くなっていくのが分かる。

死ぬのだろうなと思い俺は目を瞑る。


『もし、、生まれ変わるのなら次は大人のいない世界に、、。』


そう願って俺はこの世界に別れを告げた。


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僕らの絆 @Linto9030

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