エレキじょ

@shioru

第1話

なあ

「なあ」

「なあ」


「メシマズ嫁って知ってる?」

「あー、なんかネットで聞いたことあるかも」

「旦那さんに死ぬほどまずいご飯を作って食べさせる嫁をメシマズ嫁って言うんだって」

「死ぬほどって大袈裟じゃない?」

「いや、そうでもないよ」

置くからアチちゃんがぼんやりと否定する。

「伊達政宗の奥さん、漢字で書くと『愛姫』なんて読むかわかる?」

「ゆんちゃんしってゆー! みかん!」

「………愛媛?」

「そうそう、愛媛って書いて、みかんって読むの」

「まて、ならば紀州と書いてもみかんと読ませろ!!」


「話が脱線してる」

「これは愛姫って書いて、めごひめ って読むんだよ」

「え、何そのキラキラネーム」

「この人は才色兼備、なんだけど料理だけは不得意でね」

「旦那さんにご飯を作ってあげたら、あまりの不味さとヤバさに、毒殺されそうになったと勘違いして、嫁一族を殺しちゃいます」

「は?」

「生き残ったのは愛姫と乳母のみ」

「後でメシマズ嫁だったってわかって、嫁に平謝り。一生頭が上がらなくなったみたいで、嫁の飯は美味くなくとも黙って食べるべし。なんて名言が残されてる」

「嫁は料理の腕は磨くんだけれど、食えるけど不味い。政宗だけならまだいい、部下や客人にももてなしで手料理を振舞おうとする」

「それを回避するために。戦が落ち着いたのもあり、政宗は料理に打ち込み始める。

とにかく、客人に毒を盛られたなては晴れてはあ

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