ライトノベルに向けて

 最近、二つの疑問が頭をめぐる。

 物語とは何か?

 面白さとは何か?

 考えれば考えるほどに、見つめたものがゲシュタルト崩壊を起こしていく。


 ライトノベルと、一般文芸の違いを考えてみた。

 前者を色付けすることで、後者と比較する方法を試みる。

 内容は、ありふれたものだ。


 ライトノベルに顕著と思われる特性を、下記に示す。

 一、キャラクター性が強い

 二、セリフが豊富である

 三、軽快な娯楽性がある

 四、対象が若年層、もしくはヲタク層

 条件が満たされれば、ライトノベル性が高いと判断したい。


 詳しく見よう。

 キャラクター性の強さは、漫画、アニメ、映画の手法が逆輸入された印象を受ける。

 セリフの豊富さには二つの要素がある。一つは、表現としての選択だ。状況説明や、心理描写など、地の文でも書かれうるものが、セリフのカタチを取っている。もう一つは、純粋に、セリフの力が強いことだ。

 軽快な娯楽性は、英語で言えば、エンターテイメント性である。これもやはり、漫画、アニメ、映画の手法が逆輸入された印象が強い。


 上記三点を独立して見たが、実際には、互いに関連している。軽快な娯楽性の中で、好みのキャラクターが、心に残るセリフを語る。この三点は、相乗効果を発揮して、相互補完的に、良さを伸ばし合っていく。


 何かを得れば、何かを失う。

 限られた文字数の中で、どのように配分するかということだ。

 ライトノベルでは、上にあげた、一から四の条件につき、配分の利がある。

 無論、その点について、一般文芸より優れているとは言わない。

 個性のようなものだ。


 物語とは何か?

 面白さとは何か?


 答えはまだ出ない。

 一つではないだろう。

 人によって異なるだろう。

 けれども、キャラクター性が強く、セリフが豊富で、軽快な娯楽性のあるお話は、面白い物語だと感じうる。それは、自分が表現したいと思うものだ。

 

 ライトノベルのカタチへ寄せていこう。

 前よりも、少し具体性を持って、そう望めるようになった。



令和元年6月24日(月)雨

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