第2話 まだそこにいるの?

この話は、第1話の友人と更に職場にいた友人から聞いた話。

二人の話を聞く限り、かなり一致するので調べてみたのだけど………。

ないの。どこにも噂に上がってない。似た場所のふわっとした話はあるのだけど、確実にそれとはわからないレベル。


その舞台は、蕨駅から西川口駅に向かう道筋の陸橋を抜けたすぐ近くで、線路脇。今は公園になっているのだけど、昔は踏切だったらしい。

まぁ、それっぽい感じはする。


そこに男の子が立っている。近寄ると、血塗れなんだそうだ。

第1話の友人とよく通る場所だったし、自転車で。その公園は小さいので誰も遊んでる姿を見ないし、遊ばない。

友人が言うには、たぶん、踏切で亡くなった少年じゃないかなと。毎回視ていたそうだ。


そして去年聞いた更なるリアルな話。それを聞いて彼女の話を思い出し、やっぱりいるのかって思ったの。

今回の友人は男の子なのだけど、まさかの憑いて来られちゃったパターン。元々ちょっと鬱になりやすいタイプの彼は霊感体質らしく、ちょくちょく憑かれて更に酷い鬱状態になってしまう苦労人。

あの場所で目が合っちゃったとかで、肩が異常に重いとぼやく。

何でも、少年は遊んでほしいらしい。



はっきり言おう。ボクには全く視えないし、わからない。え?マジでそこにいるの?憑れてきちゃったの?とマヌケな状態だ。



何日かして明るさを取り戻した彼は、無駄にテンション高く、仕事帰りに飲み歩く生活に戻った。



……肩に憑いてた少年がどうなったかボクは聞くタイミングを逃したまま、彼は転職していった。



少年はやっぱりあの場所に戻って、遊んでくれる人をまた待っているのだろうか。

しかしながら、ボクには感じてあげることも視てあげることも出来ない。

いや、本気で純粋に遊んでほしいなら、子ども好きだし、成仏するまであそんであげたいと思うのだけど……。



そんなボクは最近、異常な肩凝りに悩まされている。



西川口、今は90代半ばのじいさんが一人で住んでいるので、毎週夕飯を共にしている。

が!最短ルートで行ってしまうのでそこを通らない。次回からはそこを通って向かうとしよう。

怖いもの知らずというわけじゃないけど、人気があまりに少ないので、何となく寂しいんじゃないかなって。

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