共存(300字SS)
カテーテルの口金側で結晶は解けていく。タブレットは起動している。奇跡の魔術は発動している。
ぐったりマウスは動かない。しかし心臓は動いている。
欠損を魔術で埋める。アイデアは単純。理論は既に実現済み。基本作用と融合と、代謝を妨げない自己複製が肝になる。魔術は自分で覚えれば良い。
一〇数回目の成果は上々。
「血液成分中にMANAが確認されました」
MANAは腎臓の代わりとなって確かに体内で息づいている。
「実験は中止です」
背を撫でる。
「聞いてますか?」
マウスは弱々しくも反応し。
「この魔術はマウスを食うんですよ!」
私の手の中でちぅと鳴く。
私は懐いたマウスと所から出る。
西に行こう。ふと思う。砂漠の中の放出口の。
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