模造聖光(ホワイトアウト)(300字SS)
タップと同時に魔法陣が浮かび上がる。光が生まれて光が散って、積分の光が視界全てを多い尽く――す前に、唐突に消えた。
バッテリー残量10%。MANAはそれほど使わないが。
「無理だろ」
ポツリと響いた。
「バッテリーは」
言葉が続いた。
「携帯用だろ」
「桁が違うぞ」
ため息と諦念が光の代わりに散るかのように。
「周囲の光を集めたら?」
視線が声に集中する。シナプス駆動の計算音が、数瞬の静寂を生み。
「球体計算やるわ」
「センシングは俺が」
キャスターが床を鳴らし始める。
大量の光を散らして模造聖光(ホワイトアウト)。そんな『奇跡』をご所望だとか。
「宗教さんも必死だねぇ」
だから散らされたんだとは、小さな笑いに散って紛れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます