ミチルとレクの探偵事件簿
雨宮翠菜
第1話 消えた青い星
1 古都村探偵事務所
僕は、
「何か御用?」
よくとおる声で言われ、僕は慌てて
「い、いいえ。別に。これといった用事はとくに・・・。」
としどろもどろ答えた。すると、彼女はじーっとみてきて、びっくりなことを言った。
「悩んでいるんですか?」
「えっ・・・」
僕は、驚いてしまった。なんと初めて会った人の気持ちを言い当てるとは!・・・とまで考えてふと思った。探偵事務所に沈んだ顔で来たら悩み以外何物でもない。
「そうなんですよ。バイトがなかなかなじめなくって。こんなに悩んだの初めてです。」
僕は素直に答えた。すると、彼女は「いけるかも・・・。うんうん・・・。」とぶつぶつといった後、
「そうですか。それでは、いい仕事をお教えしましょう。」
と、さらりといった。
「本当ですか!?」
僕はうれしかった。さすが探偵事務所だと思った。
「それで、どこですか?」
僕は、心を躍らせながら聞いた。
「ここです。」
「はい?」
僕は、人生で一番すっとんきょうな声をあげてしまった。
「だから、ここで働くんです。」
彼女は、僕にでもわかるように説明してくれたが、僕はその言葉を理解するのに十秒必要だった。
「えっ!ここですか?でもいったいなにを・・・。」
僕はもう頭がパニックになっていた。しかし、彼女はさらっといった。
「助手」
「助手・・・。」
僕は、この助手、という言葉が好きだった。自分もなれるかもしれない、という期待を込めているからだ。
「やりますか?」
彼女が聞いてきた。僕は、一瞬迷ったが、すぐに心が整理された。
「やります。」
たぶんだけど、今までで一番はっきりといった。
「わかりました。それでは探偵の仕事を説明します。そこのソファに座ってください。」
僕は、言われるままに座った。
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