エルフとドワーフの盗賊

あるところに、エルフとドワーフの盗賊がいた。

とある金持ちの屋敷に忍び込んだとき、ドワーフは足が遅かったせいで捕まったが、エルフはなんとか逃げ切った。

隠れ家で身を潜めていたエルフは、獄中からの相棒からの手紙を受け取った。


『相棒へ

心配するな、お前のことは話していない。

俺はどうせ死刑になる身だ。


俺たちは今まで稼ぎをしっかり等分していたな。

俺は、どうしようもないケチだから、今までの稼ぎをとある場所に埋めていた。

そこは地雷原だから、滅多に人が近寄ることはないだろう。

誰かに盗られるくらいなら、宝はほかでもねえお前にやる。

お前さんなら、ほとぼりが冷めたころに使えばいい。


唯一無二の相棒より』


手紙の末尾には、目印が書きこまれた簡単な地図と、複雑な暗号が記されていた。

エルフが夢中になって暗号を解読すると、そこにはこう書いてあった。


『目印の木から、北に15歩、西に23歩……』

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