通訳

勇者はドラゴン退治に出かけたが、できることであれば争いを避けたいと思っていた。

勇者には竜語が分からないので、エルフの通訳が同行していた。

「それ以上悪さをすると承知しないぞ、ドラゴン」

通訳は勇者の言ったことをドラゴンに訳した。

『それ以上やられると我々はどうしようもありません、ドラゴンさま、とおっしゃっています』

『うむ、よかろう、私が怒りだす前に去るが良い』

『分かりました』

通訳は、こんどは勇者に言った。

「勇者さま、ドラゴンはもう悪さはいたしません、どうかご勘弁ください、と言っています」

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