第78話 間違えたこと






「まこちゃん、おはよー!」



俺は、いつも通りにまこちゃんに挨拶をした。

なのに。




「……ん」





まこちゃんは、俺を見てくれなかった。


スッと下に逸らされた視線。

あんなに拒絶されてた反応も、今じゃ無くて。


俺は、自分の体温が消えていくように、感じた。





どうして?どうして?

何でまこちゃんは、俺を見てくれない?


何で、俺への反応が薄くなってしまったの?






キャンキャン喚かれても、それでも良かった。


普段、何事にもどうでも良さそうにしている彼。

そんな彼が、俺に強く反応してくれるのが、嬉しかった。



それが例え、嫌悪感だとしても。

それでも良かった。



毎日毎日、馬鹿みたい尻尾振って、追いかけ回して。


声を聞くのが嬉しかった。

その瞳に俺が映っているのが、嬉しかった。



俺を見て。

俺を認識して。

その頭の中に、俺が居てほしい。



なのに。




俺は、大変なことをしてしまったんだ。



今更になって、昨日の自分の言動を後悔した。







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