キャロリン達のサマーキャンプ・イン・亜空間 決戦編
【ゴッドホテル・ザ・階級制度】
キャロリン達は豪華なホテルの前に立っていた。
豪華すぎるホテルは戦っているシリカ達に悪いと断り、レベルを落としたのだが連れられてきた先に有ったのはやはり豪華なホテルだった。
「あ、あの、ここわ?」
「キャロさん達の希望の宿ざます、ここが一番安いのざますわ。
亜神や下級神用のホテルざます」
「い、いえ、そうではなく名前が……」
「下級神達に思い知らせてやる!
っと原始の神々が名付けたざますが、どうかしたざますか?」
「な、何か有ったんですか?」
「ユノガンド様を見るざます、あれがスタンダードざますわよ?」
名前が酷いと思って理由を聞くと、返ってきた答えで納得した。
「何にしろ、今日はもう疲れたざましょ?
部屋に荷物を置いてお食事にするざますわ!」
ロッテンドライヤーはそう言うと、スタスタとホテルに入って行くのだった。
そして皆で泊まれる大部屋を取ると、食堂に向かう事にした。
料理なかなか良いロッテンドライヤーが言うので、キャロリン達はワクワクしながら向かうと、[大食堂]と書かれた扉の前に着く。
そして開いた扉の先に居たのは―――
「何、あいつら?」
「かなりの使い手みたいね……」
「正体を見せなさいな!」
「「…………」」
サルファに怒鳴られた2人は漆黒のローブを脱ぎ捨てる!
「な!?」
「え?どう言うことなの!?」
「……バ、バカな!?お主らがどうして!?」
そして現れた2人を見て、シリカ達だけでなくエルナルナ達にユノガンドまでも驚愕している。
「「兄様の宝を狙う愚か者達め!
私達が相手だ!」」
そう、ローブの下から現れたのは……人化したステラとルチルだったのだ!
「どう言うこと……何故あなた達が……?」
「「面白そうだから参戦する事にしました!」」
「「「いや、そう言う事じゃなくってね!?」」」
「みんな落ち着いて!
ステラちゃん、ルチルちゃん、なんでドライト側なのよ?
それに何時から敵として出てくる事になってたの?」
「「えっとね?」」
ステラとルチルが説明する、そして説明を聞いてシリカ達、龍と神の連合軍の面子は驚きに包まれるのだった。
ステラとルチルが敵として現れたのは、シリカ達がドライトの亜空間に入り込んだのが速効でバレたからだった。
ステラとルチルは慌てて誤魔化そうとしたが――
「シリカ姉さん達にメルクルナさん達、ユノガンド様も居ますね?
ん!?キャロリン達も居るんですか!?
どう言うことですか!」
っと、正確に人数と面子を当てられて、キャロリン達も居る事に気がついたドライトが怒り始めたので、ステラとルチルはアッサリと皆を売って事と次第を説明したのだった!
「さ、最初からバレておったじゃと!?」
「変だと思ったのよ……こんなに時間経ってるのにドライトが確認に来ないし、連絡すらないんだもの……」
「まぁ、バレたからってドライトさんの宝物庫を諦めた訳じゃないしね!」
「「兄様の宝物庫ですか?
ここの亜空間には、ありませんよ?」」
「へ?」
「ここはFPS用のバトルステージですよ?」
「不特定多数の方々が出入りする様になるんですから」
「「宝物庫なんか造るわけ無いじゃないですか!」」
ステラとルチルにそう言われてしまい、ユノガンドにエルナルナ達は固まっている。
そこにサルファが怒りながら前に出てきて言う。
「ちょっとステラちゃん、ルチルちゃん、ここには必ず宝物庫が有るとおっしゃったじゃないですか?
姉である私達に嘘をついたのですか?」
「「う、嘘なんかついてません!
シリカ姉様達が悪いんじゃないですか!」」
「へ?俺達が悪いって何がだよ?」
カーネリアがそう言うと、ステラとルチルは全員を見回してから言った。
「「言ったじゃないですか、シリカ姉様達とキャロ姉様達だけなら、サルファ姉様の妨害で兄様も気づかないですけど、人数が増えたら必ず妨害する人数を増やして下さいって!」」
「「「……あ!」」」
「「それでバレて、兄様はシリカ姉様達の転移位置を変えたんですよ……
だからここには宝物庫はありません」」
ステラとルチルはそう言うと、何故か胸を張る。
するとそれまで静かだったアンジュラがポツリと言った。
「……2人共……成長した?」
「……あ!?」
「ほ、ほんとだわ!」
「よく考えたら、ちゃんと受けごたえしてたな!?」
「「ふふふ……兄様の力を奪っゲフン!
貰って私達は子龍になったのです!」」
「奪ったのかよ……」
「「何にしろ兄様の宝物庫を狙うふとどき者め!覚悟!」」
ステラとルチルが叫ぶとダブル=ブレード・ライトソードを取り出して、振り回し始めた。
「「キャアー!楽しいー!」」
とても嬉しそうに!
「うわぁー!あぶねぇぇぇ!?」
逃げ回るシリカ達にエルナルナ達、それを見ていたユノガンドはと言うと。
「財宝も情報もないのか……帰るかのぅ……」
[ツンツン]
「ん?なんじゃ?」
黄昏れていたユノガンドは、自分が突っつかれている事に気がつき、その者を見る。
「……悩みを無くしてやろうかあぁぁぁ!?」
[チュチュチュチュチュン!]
ドライデカ7830が突っついていた、そしてダブルブラスターが火を吹く!
「ぬおぉぉぉ!?」
が、流石は原始の神、ユノガンドである、ライトソードを素早く取り出すとライトソードでエネルギー弾を弾き返して防いでいる。
「ふはははは!その程度でこのユノガンドを[ゴン!]んぎゃ!?」
ユノガンドは得意気にライトソードを振っていたが、後ろから忍び寄ったドライデカ710巻きの持つ、こん棒に殴られて気絶してしまった!
「ユノガンド様が殺られたわ!?」
「ほっときなさい!
こっちも手一杯なんだから!そのうちに復活するって!」
「ありゃドライデカ7830か?」
「もう1体は710巻きよ!」
「は?納豆巻き?」
「リア!遊んでないで戦いなさいな!?」
もはや戦闘は乱戦となり、勝敗の行方は分からなくなりつつあった。
「お、美味しい!何これ!?」
「は、初めて食べました、テラーモアの仙草焼き……」
「王族でも一生に一度、食べれるかどうかって言われてるよね?」
「スッゲー……ってか食べ放題なのよね、これ?」
「はぁ……こっちの海鮮チャーハンも凄いですわね、キングクラブとかAランクの食材をこれでもかって使ってますわ」
「こっちのスープも一見、なんの変哲もないコーンポタージュですけど、味が全然違いますから特別なんでしょうね……」
キャロリン達は豪華な料理に舌鼓を打っていると、ロッテンドライヤーに声をかけられる。
「さあさあ、いっぱい食べるのざます。
時間制限はないざますが、人気の物は無くなるざますからね?」
そう言うロッテンドライヤーをキャロリン達が困った様に見る、横を見るとフロアーマネージャーだろうか?中級神らしき人物が頬をピクピクさせながら近づいてくる。
「お客様?その様な食べ方は困ります。
それに食べれる量だけお皿に取って、食べて下さい!」
その中級神はそう言ってロッテンドライヤーを注意して、テーブルを見る。
そう!ロッテンドライヤーの前には――大皿が10枚ほど並んでいたのだ!
キャロリン達の前には色々な料理が乗った普通サイズのお皿が有るが、ロッテンドライヤーの前には本来取り分けられるはずの料理が乗ったままの大皿が置いてあったのだ!
「なんざますか?食べられる分だけ取って良いのでざましょ?
なんの問題が有るざますか?」
ロッテンドライヤーは不思議そうに中級神に言う、言われた中級神は怒りに目をつぶり怒鳴らない様に耐えていると、キャロリンに声をかけられる。
「あ、あの、中級神様、急いだ方が良いですよ?」
「……何をですか?」
「料理を作るのをです……」
「……はぁ?」
中級神はいったい何を言っているのかと、不思議そうにキャロリンを見ると、キャロリンはロッテンドライヤーの方を指差していた。
それに釣られてロッテンドライヤーの方を見ると――
「まぁまぁのお味ざますわね、でも量だけはそこそこ有ったざます!」
大皿の料理を全て食べ終えていた!
そしてロッテンドライヤーはナプキンで軽く口を拭くと、大皿を重ね持って立ち上がる。
「あ、あのどちらに!?」
「? 御代わりざますわ?」
「は……はぁ!?」
ロッテンドライヤーはそう言うと、さっさと料理に向かって行く。
それを呆然と見送る中級神に、キャロリンは止めの言葉を送るのだった。
「あの……あちらにもいらっしゃいますから、本当に急いだ方が……」
そう言ってキャロリンが指差した方を見た中級神は――
「へ?……ふぇぇぇ!?」
「美味しいですよ!」
「バカンスは良いものですね!」
「ドンドン持ってきましょう!」
「飲み物が足りませんよ!?」
「む!?ロッテンドライヤー女史も中々やりますね!
負けていられません!早く料理を持って来て……もう無いのですか!?早く出して下さい!」
ドライト軍団が居て、凄まじい勢いで料理を食い尽くしていたのだ!
そう!キャロリン達が入った大食堂で待ち構えていたのは、ドライトヒロシ隊長とドライト教授達、そして麾下のドライト軍団だったのである!
「ちょっと!あなたがフロアーマスターさんですか!?」
「は、はい!?」
中級神に話しかけたのはドライトヒロシ隊長だった。
「料理が無いですよ!どうなっているんですか!?」
「飲み物も有りません、これではバイキングとは言えませんよ!?」
さらにドライト教授もやって来て、中級神に詰め寄る。
「の、飲み物って大樽で10個以上……あぁ!?」
中級神は飲み物がないと言われてドリンクバーを見ると、ドライト軍団が飲み干していた。
何人かの軍団員が大樽を逆さにして振っている。
「出てきません!」
「ちょっとしかまだ飲んでないのに!
他のお客さんは!」
「ペロペロペロペロ!」
「樽の中を嘗めたら味が楽しめます!」
しかも何体かは樽の中に入り込んで嘗めているようだった。
「他のホテルから援軍を呼んだ方が良いですよ?
まだ食べ始めですから……」
「……す、直ぐに上級神様を、い、いえ、最上級神様を呼ぶのです!」
中級神の叫び声が響き、部下の何人かが、食堂から飛び出していくのをキャロリン達は困った様に見守るのだった……
「っく!
エルナルナ!またステラちゃんとルチルちゃんが来たわよ!支えて!」
「シリカさん、1人じゃ無理ですって!
ハァ!……わわわ!?だ、誰か援護してよ!」
「くぅ!?ステラちゃんとルチルちゃんの動きを止めるのですわ!
あの2人にかき混ぜられてるのですわ!」
「エルナルナ姉様、2人のどちらかを足止めし、わわ!?」
「今度はメリルルナ姉さんの所!?
素早いし、動きが読めないわ!」
「メリルルナ姉様!どっちか1人を足止めして!」
「む、無茶言わないで!
エルナルナ姉様でも無理なのですからね!?
それに私は武術より魔法の方が得意で……キャア!?」
「セイ!」
「ハァ!」
「「トリャア!」」
「うっく!?」
ステラとルチルは素早く戦場を走り回り蹂躙する。
どちらか1人ならシリカ達にエルナルナ達なら何の問題もないのだろうが、2人の連携は凄まじく、最近ではユノガンドの4神ではなく、メルクルナが足されてユノガンドの5神と呼ばれ、原始の神々や龍神達も誉めるほどの連携を誇るエルナルナ達も舌を巻いていた。
「ほ、本当に凄まじい連携ね!?」
「ありゃメリルルナとメルクルナのコンビ以上だぞ!?」
メリルルナとメルクルナは同時に芽吹いた双子神とも言われている、なので5人の中でも特に連携が良かったが、ステラとルチルの連携はそれを凌駕していたのだ。
「おのれ!たとえステラ様とルチル様とは言え、メリルルナ様に手傷を負わせるとは許せん!
トリャアァァ!」
「あ!バカ!止めとけって!?」
そんななか、メリルルナが2人の猛攻で軽い怪我をしたのを見て、ウェルキエルがステラとルチルに突進する!
だが――
「「…………ふふ!」」
2人はスッと下がり、ウェルキエルを自軍のクロスファイヤポイントに引き込んだ!
「撃て撃て~!」
「アホめ!蜂の巣よ!」
「ギャアァァァ!?」
「ウェルキエル!?くっそ!今助けるぞ!」
ウェルキエルがやられたのを見て、ズリエルが陣地を飛び出す!
「ズリエル、止めなさい!」
「エルナルナ様!戦友がやられるのを黙って見てられません!
ウェルキエル、今行くぞ!耐えろ!」
「「…………ふふふ!」」
「な!?何時の間に!?」
だがズリエルがウェルキエルにたどり着く直前で、ステラとルチルにはさまれてしまう!
「ティ!」
「オリャ!」
「グ!うお!?」
「「セリャ[バシバシン!]な!?」」
ステラとルチルがズリエルに連携攻撃をしかけ、体勢を崩したところで止めを刺そうとしたが、ズリエルとの間に入ったメリルルナとメルクルナにダブル=ライトソードを弾かれてしまう。
「2人共いたずらがすぎましたね!?」
「連携なら私達も中々のものよ!?」
「「むぅ……」」
流石に地力で勝る2人には、真っ正面からだと連携だけでは勝てないだろうと、そう考えてシリカ達はドライデカを潰そうと移動しようとしたが、
「ステラ様とルチル様を助けるのよ!」
「集中射~撃て撃て~!」
ハマリエルとフルがドライトルーパーを連れてステラとルチルの救援に来る、だがそこにさらに割って入る者がいた。
「メリルルナ様とメルクルナ様を支援しろ!
天使族よ命を惜しむな!」
「ここだ!ここが決戦の場だ!
力の限りを尽くして戦い、勝利をシリカ様達に捧げるのだ!」
天使族の長のマルキダエルと竜人族の長であるアラトロンが立ちふさがったのだ!
「マルキダエル、アラトロン!でかした!
シリカの姉御!アラトロンじゃないが今がチャンスだ!」
「皆!メリルルナとメルクルナを支援しつつ、ハマリエルとフルに攻撃を集中するのよ!」
「マリルルナにチエナルナは敵の部隊を牽制して!
残りはシリカさん達に続け!突撃!」
「「ッチ!……ハマリエル姉とフル姉と合流するかしら……あ!?」」
「逃がさないわよ!」
「テイテイテイ!
ほらほら!どうしたの!?」
「「ック!?」」
シリカ達にエルナルナ達はここが勝負の決め所だと、全力で突撃する。
ステラとルチルは不利と見て1度退こうとしたが、メリルルナとメルクルナに足止めされてしまう。
そしてステラとルチルの支援が無くなったハマリエルとフルの部隊もマルキダエルとアラトロンの部隊に押され始めた、まさにその時だった。
[[ゴロゴロゴロゴロ!]]
「ん?な、なに!?」
「悩みよ消えよ!つまり死ね!」
「納豆巻きって美味しいですよね!?」
ドライデカ7830とドライデカ710巻きが転がってくる!
「ドライデカか!?転がってるならシールドが無いぞ!破壊し……ろ!?」
「あの2体はロボット共の指揮個体だ!
逃がす……な!?」
[[ゴンバキドカ!]]
なんとドライデカ2体はそのまま転がってきて近づく天使族や竜人族をハネて回る、その光景に固まったマルキダエルとアラトロンだったが、
「っちい!」
「これで終わりだ!」
ライトソードを取り出すと、ドライデカに突進してライトソードを大上段から振り下ろす!
だが――!
[バン!バシン!]
「はぁ!?」
「へ!?」
なんとドライデカ710はライトスピアを、ドライデカ7830は……ライト刺股を取り出して受け止めたのだ!
「セイセイセイ!」
「そりゃ――――!」
「な![ドスドスボコォ!]ぶふうぅぅぅ!?」
「バ、バカな!?[ゴスゴンバキィ!]ギャアァァァ!?」
そしてマルキダエルとアラトロンは、ドライデカ達に叩きのめされる。
「な!?」
「う、嘘でしょ!?」
天使族と竜人族の長である2人がアッサリと叩きのめされるのを見たシリカとエルナルナは驚愕する。
「あの2人をアッサリと倒すなんて!?」
「あのドライデカは特別製って事かよ……」
「……特別……特別?」
そして驚いているシリカ達にドライデカは構わずに、またもや丸くなると。
[ゴロゴロゴロゴロ!]
っと転がりメリルルナとメルクルナの方に向かう!
「ホラホラ!連携が乱れてきましたよ!?」
「デブ龍の奴もドンだけ鍛えたのか分からないけど……初戦で私達の相手はきつかったわね!?」
「「うぅ……あ!」」
[ゴロゴロゴロゴロ]
「「……なんか嫌な音が?」」
ステラとルチルを圧倒し始めた2人だったが、ステラとルチルが嬉しそうに自分達の後ろを見ている。
そして聞こえてくる嫌な音に後ろを振り向く、そこには目の前に迫るドライデカがいたのだった!
「「わあぁぁぁ!?」」
慌てて逃げるメリルルナとメルクルナ、その2人にドライデカが叫ぶ!
「おとなしくハネられなさい!」
「かなり痛いだけなんですから、安心するのです!」
だが流石はメルクルナ、そして双子神のメリルルナ。
あまり似てないと言われる2人だが、逃げ足の早さはソックリだった。
「なら、これならどうですか!?」
「とりゃーー!」
ドライデカ710巻きが立ち止まり、ツインブラスターを乱射するとメリルルナとメルクルナは足を止めて防御するしかなくなる。
そしてドライデカ7830が速度を増して、メリルルナとメルクルナに肉薄する。
そしてーーー!
「ぬがあぁぁぁ!おぬしら全員ボコボコに[ボコオン!]ギャアァァァ!?」
今まで気絶していたユノガンド復活して立ち上がる、転がり来るドライデカ7830の目の前で!
そしてドライデカ7830がユノガンドが復活した途端に、進路をユノガンドの方向に変えたために、衝突して2人共に吹っ飛んでしまう。
ドライデカ7830は飛んで行く、ドライデカ710巻きに向かって。
「人は飛ぶ事で悩みを忘れると言います、では私は!?」
[ドガシャアン!]
「納豆からひきわり納豆にジョブチェンジです!」
ドライデカ7830吹っ飛びながらよく分からない事を、ドライデカ710巻きはバラバラになりながら転職した事を告げ、2体共に機能を停止したようだった。
「おおお!?ユノガンド様がまた死んだ!?」
「なんて良いタイミングで立つのかしら……」
「本当に笑いの神よね?」
「ただのアホでしょ?」
「笑いすぎてこっちが禿げるわ!?」
エルナルナ達と合流したメリルルナとメルクルナは、再度気絶したユノガンドを眺めていた、すると先程まで戦っていたステラとルチルにハマリエルとフルが、凄まじい勢いでドライデカの残骸に走り寄る。
ドライデカのお腹の辺りに有った、50センチほどの球体を確保しようと走り寄る4人、球体を確保したのは―――
「……ゲット……何これ?」
アンジュラだった!
ステラとルチルにハマリエルとフル達に囲まれながらも、アンジュラは球体を、手に取り眺めている。
ステラ達も囲んではいるのだが、何故か攻撃をせずにいる。
シリカ達にエルナルナ達も恐る恐る近づいてくるとアンジュラを中心に、にらみ合うように対陣する。
「……アンジェ姉様、それを返して下さい」
「……ただの球体ですから、面白くないですよ?」
「……やだ……興味津々」
最初に話しかけたのはステラとルチルだった、面白い物ではないから返してと言うが、アンジュラは嫌だと言いながら球体をクルクルと回しながら見つめて、調べている。
「な、ならアンジェ様、こっちと交換しませんか?」
「こっちの方が~良い物ですよ~?」
「うそ……何故ならあなた達……こっちを回収しようとしてた……」
ハマリエルとフルは710巻きの球体と交換しようと言ったが、アンジュラは7830の方が良い物だと断る。
そして目の前に持ってくると、軽く拳を握り、
[コンコン]
っと叩いた、すると……
「入ってます」
よく聞く声が、球体の中からしたのだった!
「おらぁ!?
お前ら12才なのに乳がデカすぎるだろ!?死にさらせぇ!」
「止めろこのバカ!
お風呂での乳比べは親友同士の伝統ある親愛のイベントだぞ!?」
「そうですよ、セイネ様!アレナム様はオッパイの大きさを比べようとしただけです!
落ち着いて下さい!?」
「オッパイ言うなあぁぁぁ!?」
「おおお!?
ナイフで刀を持ったレイナと互角に打ち合ってますわ!?」
「セイネさん!お風呂にナイフを持ち込むなんて、何を考えているんですか!?」
「刀を持ち込んでるあんたが言うなぁぁぁ!?
あとキャロは何処に行ったあぁぁ!?」
「私はここです!……セイネちゃん、ハッキリと言わせてもらいます。
オッパイは大きさじゃなく……形だと!」
キャロリンにそう言われたセイネは立ち止まり、俯き震えている……
そして顔を上げると……
「その形が表現出来ないほどツルペタなんじゃ――!
お前ら全員並べ!その乳をえぐってやる!」
セイネは血の涙を流しながらナイフをジャラジャラと取り出して、投擲の体勢に入る!
対してキャロリン達も得意の得物を取り出して、迎撃体勢に入った時だった!
「ふぅ……良いお湯ざますわ……」
仰向けでプカプカと浮いたロッテンドライヤーが流れて行った……
「おらぁ!?」
「「「……あ!?」」」
呆然していたキャロリン達のスキを付きセイネが得物を叩き落とす、武器を失ったキャロリン達は「キャーキャー!」言いながら、逃げ回るのだった。
「青春ざますわねぇ……」
こうしてキャロリン達による、第1回 乳比べ・イン・階級制度大浴場 の決戦の火蓋は切って落とされたのであった!
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