子龍編 出発

店主さん!おかわりですよ!ジャンジャン持ってきてください!


、、、はっ!?ドライトさんですよ!?


アンディ王太子とティナ騎士総長の婚約が決まってから1ヶ月経ち、私達は何をしていたかと言うと、、、


王都テレサで待ってました。


なんだか、婚約パーティーとか学園に出発するパーティーとか私の造った魔導飛行船と魔導飛行艇のお披露目パーティーとかなんかよく分からんパーティーに出てたんです、高級料理ばかりでしたが同じような料理で味も同じ様な物ばかりで1週間ほどで飽きてこっそりと外に出て、前に食べた事のある露店の串焼き屋とジュース店(なんと宿兼料理屋になって一緒に頑張ってましたよ!)を見つけて食べてて母様にバレてお仕置されたりしながら、キャロリン達の出発を待ってたんですよ!


そしてやっと明日には出発する事になったんですよ!


それで今はお仕置されても懲りずに抜け出して通っていた、宿屋『ドライトの巣』で内内のパーティーをしています!




「やっぱりここの串焼きは美味しいですね!ジュースも単に珍しいだけでなくしっかりと搾ってますから味わい深いですよ!」


「あ、ありがとうございますドライト様。

しかし、宿の名前はやはり変えてもらえないでしょうか、、、?」


そう宿屋の親父兼料理長になった男、ディシンから言われた。

後ろではディシンの妻のラドミや歳で孤児院院長を引退したリュラが困った顔で頷いている。


「名前が気に入らなかったですか?ドライトの隠れ場とかドライトの憩いに変えますか?」


「い、いえ気に入らないとかではなくですね、、、!

その、、、ドライト様のお名前をいただくなどと、あまりに分不相応でして、、、」


「諦めてください!ここは料理も飲み物も美味しいですし、宿の部屋も掃除が行き届いでて、サービスも良いですからね!私のお気に入りですから是非とも私の名前を付けさせていただきますよ!

看板や宿の中にも私の鱗と守護をつけましたから、何かあってもすぐ駆けつけられますし他の旅している龍達も泊まってくれますよ!」


俺がそう言うと3人は嬉しいような困ったような顔をしながら開けられた扉から宿の外を見る、そこには衛兵や魔導士が数人立ち宿の周りを警戒していた。

しかもディシン達は気がついてないが隊長は近衛騎士で副隊長は宮廷魔導士、隊員達は衛兵隊の中から選りすぐられた精鋭達だった。


新築で綺麗なそこそこの規模の宿とは言え何故衛兵が立ち警戒しているかというと、キャロリンにドライトが「お気に入りの宿が出来たから守護と鱗を授けて守る事にしました、ついでに色々と宿に手を加えましたよ!」っと伝えたがキャロリンは当然それを父である王や母達などに報告した、それを聞いた王や重臣達は

、ドライト様の守護を受けた宿に万が一の事が有ってはならん!っと宿の隣に衛兵隊の詰め所を造ってしまったのだ。


傍目はために見ると衛兵達は詰め所の周りを警戒している様に見えるが、見る者が見れば明らかに宿を守っていると分かる為に王都ではこの宿がドライトの守護を受けていると噂になりつつあり、予約は少しづつ増えていたが、その事がディシン達にとって嬉しくもあり困った事になっていた。

元々下級層をメインターゲットにしていたのに予約者達は大商人や下級貴族だけでなく上級貴族の名前まである、とても自分達で給仕など出来ないとディシン達は考えていたのだ、だがそんな考えを見透かしたようにドライトがディシン達に告げた。




「あなた達の心配は大丈夫ですよ!宿は増築してあります!部屋数は離れも合わせると200を超えますから、予約が増えても対応できますよ!」


全然ディシン達の考えを察していなかった。


困っているとシリカとサルファが離れもドライトが守護と鱗を付けたみたいだから、貴族の方達はそっちに泊まってもらって自分達の事は自分達にしてもらった方が良いわよ、逆にこっちから人で出すと嫌がられる事も有るからね、キャロリンにそっち方面に詳しい人紹介してもらいなさい。

と教えもらって喜んでいたがそこでドライトの先程の発言に気がつく、“増築してあります!”3人は顔を見合わせると宿を走り始めた、 客室 食堂 調理場 風呂 元々の部屋数は30ほどで庭も有ったが馬車を停めるスペースがほとんどだ、客室もそんなに広くなくこじんまりした宿だ一周してきて3人は思った変わってない、、、

そうホッとしていると子供達がワイワイ言いながら食堂に入ってきた。


「宿、スゲー建物だったな!」


「孤児院も凄かったな!」


「両方とも合わせたら、えっとえっと、、、いっぱーいのお部屋だよね!」


などと話し合いながら、ドライト達の方に向かっていく。

3人はまた顔を見合わせて子供達が入ってきた見た事のない扉を恐る恐るくぐって行くと、、、


200近い豪華な部屋のある5階建ての大ホテルが有った、隣の土地には50以上の離れが有る、さらに元々孤児院が有った方を見ると3階建ての建物が5つ、看板に校舎、孤児院、従業員宿舎、と書かれていて残りの2つは予備と看板がつけられていた。

さらに校庭らしき場所には平屋建て大きな建物が5棟、体育館、室内プール、闘技演習場、魔法演習場、ドライトの実験室っと書かれていた。


3人が唖然としていると50人ほどの少年少女達に300人近い人達が校庭の隅にいる、するとその少年少女達を見たリュラが「あなた達!」と声をあげると、その声に気がついた少年少女達に数人の年配の者達が近づいてきた、年配の者は馬車を引いている。


「院長先生、お久しぶりです!」


「なんか仕事があるからって手紙が来たので、帰ってきました!」


「孤児院も人手が足りないって、、、」


「お給金も出るって聞いて、私達も冒険者を辞める事にしたんです」


子供達はリュラとその夫が育てて巣だって行った孤児だった、帰ってきてくれたのは嬉しいが宿を建てるのにお金はほぼ使ってしまった為に3人はどう言えば良いかと考えていると、年配の者達が箱が何個も載った馬車を3人の目の前に停めて話しかけてきた。


「旦那様、奥様、大奥様、初めまして、私はケビン大公閣下から派遣された者でホテルの維持管理をさせていただく者です、向こうに居る者達は皆商業ギルドから斡旋されてきた者達で身分もしっかりとチェックされていますのでご安心ください。

こちらの馬車はドライト様から当座の軍資金と言う事で預からしていただいた物です、御検めください。」


そう言って後ろの者に目で合図を送ると、箱が1つ置かれてフタが開かれた、、、その中には、、、金の延べ棒がギッシリと詰まっていたのだった、、、




「あっちは孤児院の運営費用のホテルですよ!権利はリュラさん達のにしてありますから安心してください!」


「い、いえ、そう言う事では無くてですね?」


「あなた達はこちらの“ドライトの巣 本館”の運営を何時も道理に頑張れば良いんですよ!

向こうの“新館”からの利益の20%が孤児院の運営費になります、ああもちろん当面の資金も渡してあるので気にしないでくだ、、、ちょっとメルクルナさん!その串焼きは私が狙ってた物ですよ!ま、待ちなさい!」


目当てのボアの香草串焼きをメルクルナが全部抱えて逃げ出したので、慌ててドライトは追いかけて去ってしまった。

それを呆然として見ている3人にセレナが声をかけた。


「遠慮せずに貰っちゃいなさいな、向こうの“新館”の運営はほぼ国がするのだし、その収益が入れば孤児院の運営費も困らないのだから良いじゃないの?

ドライトはあなた達に宝石や賢者の石を渡した後も気にしていたのよ?一時的に良くなってもその後どうなるんだろう、、、ってね?それにしてもこの串焼きとジュースは本当に美味しいわね?」


「セレナ様!私も気になってディシンさんとラドミさんに聞いたり作ってる所を見せてもらったんだけど、これはスキルとかステータスじゃなく長年の経験がモノを言ってるみたいなんですよ!」


「へー、、、気になるわね?リアどう言う事なの?」


「シリカの姉御、私達龍は龍の眼で焼く時間とか見ちゃってだろ?ディシンさんは焼いてるのを見て味付けのタイミングとか火加減の調節してるんだよ!」


「なるほど、、、!私達は龍の眼とかスキルに頼り過ぎていたのですね!」


「サルファ姉!そうなんだよ!やっぱちゃんと正面から向き合わないとダメだって事だよな!」


「カーネリア、あなたまた料理熱が出たみたいね?」


「いやぁ〜セレナ様、私は向こうの学園に行ったら料理の修行をやり直しますよ!ドラ公や妹達にも美味いもん食わしてあげたいですからね!」


「あらあら、、、カーネリアった、、、ら?」


カーネリアが照れながらそう言っているのを微笑ましく見ながらセレナが串焼きに手を伸ばしたが串が掴めない、不思議に思いテーブルに視線を向けると、、、大量にあった串焼きが消えていた、そしてテーブルの向こうで


「、、、店員さん、、、ギブ・ミーおかわり」


と言いながらアンジュラが大量の串をお皿に置いて、おかわりを要求していたのだった、、、




ちなみに龍王ディアンはその頃、、、


「ふぅ、、、良い湯だ、、、」


風呂に入っていた!


、、、ドタドタドタ!ガラ!


「おおおぉぉぉ!この串焼きは死守してみせる!」


「待つですよ駄神!これでも食らいなさい!」


大量の串焼きを抱えたメルクルナが男子の露天風呂に乱入してきて、逃げ回っているがドライトがその足元に石鹸を滑り込ませると、モロに踏んで滑って頭を打った。

その際大量に宙に浮いた串焼きをドライトは素早く回収するとそのまま宿の中に戻って行く。


「ウピイィィ!いでえぇぇぇ、、、は!?串焼きが!?待て、デブ龍!」


そうメルクルナは叫ぶと空中から神剣を取り出して、ドライトを追って宿の中に戻って行ったのだった。


「、、、ここは家族風呂も有るって言っていたな、、、後でセレナや子供達と一緒に入るか、、、セレナ一緒に入ってくれるかな?」


こうして内内の出発パーティは1日中行われたのだった。




パーティーの次の日、早朝にドライトは魔導飛行船の艦橋にいた、そこにはセレナとディアンにステラとルチル、キャロリンやアンディ王太子とティナ騎士総長にマンフレッド魔導士長に宮廷魔導士達が珍しそうに周りを見回していた。


そして幾つかある椅子にメルクルナとハマリエルとフルが座って計器を見て何かをいじっている、その横で宮廷魔導士達が真剣な目で作業を見守っていた。

ジェード王国にもかなりの数を寄贈したのだが今までの物と性能や操作方法が違い過ぎて操縦方法などが解らないとの事で教えているのだ。


「それじゃあ、出発しますか!」


「ドライト様、アリーアお姉様とライアンお兄様がまだ乗ってません、、、」


「緊急出港ですよ!?総員出港しますから何かにつかまってください!」


「ド、ドライト様お兄様とお姉様を置いて行くわけには!」


「チャンスなんですよ!キャロをストーカーから守るチャンスなのです!

、、、な、泣かないでください、ちゃんと待ちますから!」


ウルウルと泣きながらドライトの前に跪ひざまずこうとするキャロリンを立たせてドライトは渋々緊急出港を取止めた。


その横で、セレナはニコニコ笑いながら「あらあら、、、」っと言い、ディアンは「家族風呂、、、良かった、、、」っと言っている。

ステラとルチルは景色の良い場所を探して飛び回っている、そんな中艦橋にある扉の1つが開き、、、シリカ達にアリーアとライアンが飛び込んで来た。


「ま、間に合った!」


「ドライトさん!出発はお昼過ぎじゃなかったんですか!?」


「ド、ドラ公、私達を置いていくつもりだったろ!?」


「あ、危ないところだったわ!お父様に教えてもらってなかったら、キャロと離れ離れに、、、!」


「ゆ、油断してたぜ!キャロと離れ離れになるなんて地獄だからな!」


アリーアとライアンについてはアンディ王太子が「ッチ!」っと舌打ちしてるのでそう言う事なのだろうがシリカ姉達は聞いていた話と違うので素直に聞いてみた。


「あれ?シリカ姉達はあとから飛んでくるんじゃなかったんですか?」


「へ?そんなこと言ってないわよ?」


するとメルクルナが席に座ったまま、シリカ達を見て、


「アンジェさんに出発の時に王国の民が見送りにいっぱい来ると騒ぎになるから、出発を早朝にするってシリカさん達にも伝えてって言ったんだけど、、、めんどいから後から飛んで行くって、、、」


「あ、あんのやろ〜、、、ヒッ!?」


カーネリアがアンジュラに騙だまされたのに気がつき怒りをあらわにしようとして、それ以上のオーラを出しているサルファにビビッて身を引いてると。


「、、、あの子は何処ですか?」


そうサルファが周りに聞くがハマリエルとフルは計器に目を向けて顔を上げようとしない、メルクルナもヒクヒクと引きつっているので、セレナが答える。


「食べ過ぎで自室で寝てるわよ、、、船は壊さないようにね?」


「、、、わかっておりますわ?」


そうサルファはニッコリと笑いながら艦橋から去って行った、、、


「こ、こっわ〜、、、シリカさん、リアさん、サルファさんってあんなに怖いの?」


「あら?メルクルナ知らないの?私達の中で一番に穏やかなのはサルファだけど本気で怒らせると一番怖いのはサルファよ?」


「特に力関係だけでなく年功序列も重視するからな、、、アンジェもくだらない嘘で私達を騙だまそうとしなけりゃ良かったのにな、、、ってか、キャロと妹達居たのか、、、」


「リア!失礼な事言わないの!」


「い、いや姉御!昨日のパーティーで見なかったからさ!」


「そう言えばそうね、、、?ドライトだったら絶対呼んでたはずなのに、、、」


不思議そうにシリカがキャロリンとステラとルチルを見ていると、キャロリンがオズオズと答えた。


「ステラちゃんとルチルちゃんがパーティーの準備中に串焼きとか色々食べて満腹になって寝てしまったので、私が何時もお世話になっているドライト様に代わり見守らせていただいたので、、、」


シリカとカーネリアは「「なるほど、、、」」っと言っていたが、メルクルナが「キャロちゃんはやっぱり良い子ね!やっぱり私の祝福をあげましょう!」っと言った瞬間、身を縮めた。

次の瞬間ドライトの尻尾がメルクルナの頭が有った辺りをとんでもない勢いで過ぎて行った、、、


「あ、あぶねー!頭が吹っ飛ぶところだったわ!」


「前にも言いましたが変な物付けようとしないでください!キャロには私の祝福が付いているんですから十分ですよ!」


「でも祝福は多いい方が良いわよ!その方がキャロちゃんを守りやすいのだし!」


「そんな事分かっていますよ!だからステラとルチルもキャロに祝福をつけてるんですよ!」


「「「「へ?」」」」


アンディ王太子達やシリカ姉達も驚いているがディアン父様は落ち着いて龍の眼を発動させた。


「ちょっと見てみる、、、確かについているな、、、メルクルナのもしっかりついているが、、、」


「なんですって!?キャ、キャロが穢けがされましたよ!」


「私の祝福がついて穢けがれた言うな!」


「メルクルナさんすぐに取り消しなさい!」


「良いじゃないのよ!将来どうせ神界に住むんでしょ!?その時に私達の仕事も手伝ってもらうのだから今のうちに祝福あった方が後々便利よ!?邪魔にはならないのだし!」


「キャロがなんであなたの仕事を手伝わないといけないのですか!早く祝福を取り消しなさい!」


「絶対に嫌よ!優秀で可愛らしく、性格も良いキャロは将来私の仕事を手伝ってもらうんだから!」


「なら、、、実力行使するしかありませんね、、、」


「ど、どっからでもかかってらっしゃい!」


「メルクルナ、、、お前かかってこいってイスの影に隠れてるじゃんか、、、」


そうカーネリアがメルクルナに声をかけ、メルクルナの意識が一瞬ドライトから逸れた瞬間、ドライトが消えた!

メルクルナはドライトを見失った為にさらに警戒してイスの影に身を潜めようとした次の瞬間。


『ガブゥ!』


「なんか噛まれたような音がしたけど、、、」


「シリカの姉御も?私も聞こえたけど、、、」


そうシリカとカーネリアが言い周りを見回すと、、、


「ふふふふ、、、私が噛まれたのよ!」


そう言ってメルクルナがイスの影から飛び出してくる。


「いでぇぇぇ!今までで一番痛い!尻がぁ、尻がああぁぁぁ!」


『カシュ!』っと言う音と共にドアが開きサルファがアンジュラを引きずって艦橋に入ってくるとサルファは驚き目を見開く、メルクルナがお尻にドライトつけて走りまわっていたのだった、、、




結局悪い事じゃないのだから、一応着けさせといておあげなさいな、っとセレナに言われてドライトは渋々頷いたのだった。


「ちょっと、ドライトさん!許可したのなら放してくださいよ!痛いんですから!」


「ふごふご、ふがふもふがぁ!」


「イデデデ!噛みついたまんま喋るなぁ!」


「ドラちゃん、、、お仕置だって言ってる、、、」


「よ、よく分かるな、、、」


「なんにしろサルファも落ち着いたみたいだし、そろそろ出発の時間だし、、、ドライトいい加減放して船を出発させなきゃじゃないの?」


「ふご?ふもふがふももふあ?」


「おおおぉぉぉ!傷に響いていでぇ!」


「だから、そろそろ放せって!」


「ドライトさん?放してあげないと出発が遅れますよ?」


「ドライト?妹さん達も飛び上がるの期待して見ているのよ?」


「、、、ふが?ふがふがぁ!?ふごごご!」


「ギャアァァァ!ま、マジでいでぇぇぇ!」


「「「ちょ!」」」


メルクルナの顔が真っ青になってきたのでシリカとサルファとカーネリアが慌て始めるがアンジュラが冷静に呟いた。


「ドラちゃん、、、思いっきり噛み過ぎて、、、自力で剥がせないって、、、」


その言葉を聞きシリカ達が慌ててドライトをメルクルナから引き離したのだった、、、




ドライトを何とかメルクルナから引き離すと同時にハマリエルとフルが全員に聞こえる様に大きな声で喋りだした。


「魔力の充填よし!外周及び内部機関等良し!全武装のチェックも終わっています!」


「周辺から作業員は退避しました〜、艦内の各部署に総員待機しています〜、何時でも出港できま〜す!」


「あ、顎がエライ目にあいましたよ、、、それでは出港する!目標はクロワトル大陸の学園都市です!

面白そうな所には寄港するのでそのつもりで!」


「「しゅっこ〜!」」


「アイアイサー!」「ラジャですぅ〜!」


「おおおぉぉぉ!し、尻が痛すぎて、す、座れん!」


ドライトのあっちこっちによる宣言とうつ伏せで尻を抱えるメルクルナに全員が微妙な顔をしていたが


「あ」


カーネリアがメルクルナを見ながら呟つぶやいた一言にそちらを見ると、何時の間にかドライトが手にハリセンを持ちメルクルナのお尻の上に浮かんでいた、そしてフルスイングしたのだった。


バシーン!


「うぎやぁぁぁぁ!」


「それでは出港です!」


「「「嫌な出港の合図(ね、ですね、だな)!」」」


こうして俺達は賢者の学園に向けて出発したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る