第17話「雨だれ 百景二」
音をたてて
雨粒が 落ちる
小さき子供は 窓に顔を押しつけ
うらめしそうに 空を見上げた
人びとを 家に閉じ込める
無情の雨は
どこまでも どこまでも
降り続き 降り続く
河は 怒声を上げ
山は くぐもった声を上げた
家は 悲鳴を上げ
橋は 無念の鈍い音をたてた
小さき子供の目に おびえが走ると
大人は 狂気のごとく叫んだ
無情の雨は
どこまでも どこまでも
降り続き 降り続く・・・
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