第5話「雨」

心に・・・


疲れた体に


冷たい 雨が降る



雨は 静かに


電線を 濡らし


いつの間にか 水滴をつくっていた



その水滴は


おのれの重さに 耐えきれず


大地を目指して 音もなく落ちて行く


落ち行く先は 名もなき雑草



その雑草は


細い腕を 精一杯広げ


背筋を伸ばし 視線を上げると


気丈夫に 立っていた



人も同じだ


思いも寄らぬ 出来事に


思いっきり叩かれた時は 


雑草のように


大きく 身震いして


振り払おう


そして


何事もなかったかのように


打たれる前と変わらず


静かに 立ちつくそう



ああ 私も


雑草のごとく


叩かれても 叩かれても


何事もなかったかのように


静かに 自分を信じ


立っていたいものだ

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