天才魔術師の日本暮らし

多嬉日タキビ

第1話天才魔術師ケトス

なぜ、こうなったんだ。

「仕留めろ!」

こんなはずではなかった。

「逃がすんじゃない!」

なぜ殺されなければ....いけないんだ。

「罪人を早く仕留めろ!」

ちがう。ちがうのに。

こうなったら仕方がない。

何年もかけて編み出した術を見せてやる。

「むっ! 魔法を使う気だ! 一旦下がれ!」

ど阿呆が。まぁ、それで襲われないなら好都合なんだがな。

「召喚『転移門ワープゲート』」

「くそっ。逃がすな!」

「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」

今さら来ても、もう遅い。

ん?門の調子が悪いのだろうか。

転移先がうまくつかめない。

ただ、いまは立ち止まれないしな。

早くいこう。

「まっ、待ぁてぇぇケェェェェトォォォォーーー」

うっ。なんだ....意識が..........


〇ー〇ー〇ー〇ー〇



「うぅーん。なんなんだ」

目を覚ましたのはいいが、ここは....どこだ?

この壁は......何かの建物だろうか。

いや、それにしては高いし繋ぎ目が見当たらない。

それに、妙にザラザラしてるし。

まあ、建物としておこう。

そう思いながら歩いていると、

■■■■■■■■■?ちょっといいですか?

何を言っているのであろうか。

道に迷ったのかもしれないが、俺も知らないし。

正体を聞かれたら面倒だし逃げよう。

■■■■■■■■!あ、こら待ちなさい!

やべぇ。なんか知らんが怒りだした。

ちっ。この次曲がったら『隠蔽ハイン』を使うか。

「『隠蔽ハイン』!」

■■■■■■■!止まりなさい!

よーし、行ったな。

よく考えたら、さっきの奴、変な格好してたがどこの国なんだろう。

大通りに出たらどこかわかるかも知れないな。

そう思いながら歩いていると

「なっ!?」

嘘だろ。

夜なのにこんなに明るいはずがない。

俺が住んでた国の最新技術でも、やっと字が読める程度だ。

この国はいったい何処なんだ。

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