勝つために私は指揮官になった
@Carbo_P
はじめに。
私はこの本を、丁度リーグ戦の試合後に書くと決めている。
それは、その時その時が一番気持ちが昂っていて、その時その時が一番、自分の「素」というものを表現できるからだ。
この本を出版するにあたり、私はそれまで自分が「名将」などと呼ばれていることに一切気が付かなかった。それは、それ自体が自分の仕事であると思っていたからだ。勝利を重ね、クラブを高みへと導く。それが私の仕事であり、それで給料を貰っているのだから、義務と言ってもいい。
「名将」と呼ばれることはいつになっても慣れない。だが、周りの人々がそれで満足するのならそれでよしとしよう。
私は勝つために指揮官になった。それもそのはずだ。負けるために指揮官、つまり私のような監督業に手を挙げる人間などどこにもいないだろう。だが、志は同じであっても、本当に勝利を手にできる指揮官はわずかだ。サッカーの試合などわかりやすいもので、2つのチームが戦って、負ければその指揮官は無能で、勝利すれば有能なのだ。前述したことを逆から言えば、私は「有能であるということを証明するために指揮官になった」が正しい。
指揮官とはつまり、人を育てることだと私は思う。
どれだけ作戦を練ろうと、どれだけ情報を集めようと、人が居ない、育っていないのではどんな戦いにも勝利できない。だが、人が育っていさえすれば、情報が少し少なかろうと、作戦が少し狂おうと、勝利できる。私はそれだけの力が人にはあると思っている。
こうして本を書く機会を与えてくれたのだから、私のわずかな知識を全てこの本にぶつけようと思う。
2016/10/30 ウーゴ・H・ロビシハー
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