はい、怒らないからなんでそんなことしたかいってみ?

風華

プロローグ

第1話 気づけば異世界。

「異世界に転生したからって調子に乗ってやんちゃするやつ多すぎるのよね~、ってことで君。ちょっと連中に説教してきて」


咄嗟の出来事に反論はおろか。正確に反応する余裕もなく、僕は異世界に転移された。

転移された先は草原だった。見渡す限りなにもない。心地のいい風が吹いていてすごく気持ちいい。


「…いやいやいや!?ちょっと待ってよ!!ここどこ!?というか、いまの誰!?」


突然の超常現象に脳の理解が追い付かない。いまの状況を正しく説明できる自信がない。そもそもさっきの人誰だ!?

お、落ち着け…冷静に五分くらい前のことを思い出そう。

そう、確か時刻は19時をまわったくらいだったかな。いつも通りバイトをして、定時になったんで帰ろうと思ってスタッフルームで着替えてたんだ。実際、いまも作業着とか財布を入れた鞄も持ってる。

で、着替えたんで帰ろうと思ってスタッフルームを出たら…さっきの言葉だ。

「異世界に転生したからって調子に乗ってやんちゃするやつ多すぎるのよね~、ってことで君。ちょっと連中に説教してきて」

…ちょっとスタッフルームから出ただけで状況変わりすぎじゃない?

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