第286話色あせた花

もう 泣くしかないと思った


色がないのに 色があせるのは 人の心という花


そんな 小野小町の歌を思い出す


ずっと 待っても 何も音沙汰がない


奪い取る気力なんて 何もない


色あせた心の花は 朽ちて 散るのかな


散って


また咲けばいいのだけど


おそらく


流れるのは 私の涙だけ



そうやって 時間だけが 通り過ぎていく 


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