第128話コンサートのチケット

出勤したら、クラシックコンサートのチケットがきれいな花柄の封筒に入れられ、事務机の上に。

「へえ、モーツァルトねえ・・・華やぐなあ」

ホッコリしていたら同僚女子の香奈がニンマリと寄って来た。

「ねえ・・・誰から?ホワイトデー?・・・いいなあ・・・」

香奈の悪い癖、ネホリハホリが始まった。


「えへへ、教えない」

絶対教えるものかと思った。

封筒の中身をもう一度「チラ見確認」、すぐにバッグに格納した。


業務終了ギリギリ、香奈の視線も避け、一気にエレベーターにダッシュ!

だって、今日は・・・待ちに待った「デートの日」。

コンサートはその前菜でのお約束。


でも、前菜のモーツァルトを聞きながらトロンしちゃった。


「あなたに逢えて良かった」


「え?何、突然・・・」


「違うって・・・あなただから」

思いっきり、指をギュッとされた。


ワタシ的には、ここで、フルコースの感激、身体中に電流が流れている。

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