第44話約束

昨晩は、大学のコンパで ワインを かなり飲んだ。

周囲が、ビールや日本酒、焼酎それも匂いのきつい・・・芋?球磨?

そんなのを飲んでいたので、ちょっと反発した。

ワインを意地を張って2本開けた。

たまたま、ワイン好きの女の子がいたので、話し込んだことは覚えている。

たいした目新しい話題もなかったけれど、ワインのボトルからイタリアの話になった。


「イタリア人の男性って、女性なら誰でも口説くんですって」

頬を赤らめた彼女が、ケラケラと笑う。


「うん。そういう話は聞いたことがあるよ。」

「明るく楽しいお国柄だろうね」

適当にあいづち


「イタリア人じゃないと 口説かないのかな?」


「いや、そんなことはない。君のような美女なら、口説く」


「へえ・・・」

彼女の瞳がきらめいたような、照明のせいか、わからなかった。


だいたい、そんな取りとめのない話しかしなかった。


彼女とは、帰る電車が逆方向なので、お互いにすんなりと帰った。

アパートに戻ると、何もすることもないので、そのままベッドに。



チャイムが鳴った。

時間は、朝のまだ9時である。

多少、頭痛がする。


「はい・・・今開けます」

ドアを開けた。


「おはよう!」

彼女が、爽やかな笑顔で立っている。


「え?」


「お約束のバゲットとカフェオレです」

「お散歩行きましょう!お約束ですから」


焼き立ての匂いが漂っている。

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