第6話「実技への挑戦」
運命の実技試験当日。
もーとにかく緊張しましたよー。
集合が朝の8時半ってほんとキツイ。
まずは、朝起きれるか心配したもんな。
けどさ、当日不思議な事がおきたんだ。
あたしが今使用しているめざまし時計って、数か月前に電池が切れて放置しているものなんだよ。
なのに、試験当日6時にめざまし時計が鳴ったの!
そのおかげで、遅刻することもなく、試験会場に行くことができたんだ。
世の中、不思議なことがあるもんだなーと実感です。
偶然なのか、意図的な何かの存在なのか。
自分が知らない事や、目に見えないけど確かなことって、本当にあるんだなーと思いました。
なんか元気わいてきた!!
試験場にて受付を済ますと、既に同じような受験者が4~5人座ってた。
皆、各々が勉強してきたメモやプリントされた用紙を必死に見てましたよ。
その日の受験者は、10~15人ほどだったかな。
あたしは2号車の2番目。
運命を共にする第一滑走者は、なんと欧米人でした(笑)
チャレンジャー同士、お互いの健闘でもたたえあおうと思っていたんだが、意思疎通できるか、早くも心配(笑)
既にちょっと笑いそうになっちゃったもん。
君に頼みたいことは、ただ一つ。
試験中の失敗や緊張はどうでもいいから、
とにかく、あたしを笑わさないでくれな(笑)
頼むぞ(笑)
いやー彼の運転は、なかなか良かったよ。
けどね。
細かい確認漏れとかが結構あったし、きっと落ちたんだろうなって思ってた。
てか、彼の軽微ミスの連発のおかげで、なぜか自信をもったあたしは、
早く運転したくて
ウズウズ(笑)
最後の方とか、まじあきちゃったもん(笑)
さーてさてさて。俺の番ですよ。
車に乗り込む前に、あたしは過剰に車の周辺をグルグルまわって、危険物がないかチェックしてやった。
前よーし。
後ろよーし。
全てよーし!(笑)
さあ発進だ!
アクセルを徐々に踏みしめて、加速したあたしは、開始10秒で速度オーバーを指摘されてしまったのである(笑)
40キロ道路を、80キロで進行ですよ。信じられるかい?(笑)
もーやだ。
もーやだ。
昔から、出だしでつまづくと、全ての勝負を投げ出す癖(破壊衝動)があるあたしは、今回の試験を予行練習と割り切ることで、早くも捨ててしまったのである。
学生時代、模写していたノートがグチャグチャになると、すぐ新しいノートに乗り換えていたもんな。
完璧主義者というか、一連の流れに独自の美学をもっている節がある。
非常にめんどくさい奴(笑)
第一滑走者の彼と、お互いを慰めあおうかと期待していたのだが、予想に反して、路上試験を終えた試験車は、場内の試験コースに入って行ったのである。
ここは、路上試験に受かったものだけが許される、最終関門である。
…ということは、
俺か?(笑)
試験管は場内に車を止めると、
「じゃあ受験番号1番の方は、場内試験を行います。方向転換だからね。2番の女性の方は、残念ながら今回は減点超過となります」
ふざけるな!(笑)
あいつ、全然左右確認できてなかったジャン。
歩行者が横断中に、横断歩道に乗り上げてたジャン!(笑)
欧米人は、欧米人らしく、喜びを全身にみなぎらせて、いき揚々と方向転換に進んだのである。
方向転換は、制限時間がない。
たとえ10分かかろうと、ぎこちない運転だろうが、きちんと駐車スペースに車をおさめられたらそれでいいのだ。
まあ、この欧米人のおかげで、場内試験まで予習できるのはラッキーだったなと考え、じっくり見学させてもらうことにした。
だが。
彼は、約1分ほどで、方向転換を終わらせたのだった(笑)
はえーよwww
もうね、一瞬だった(笑)
全然予習できなかった。
まあ、きちんと成功させたのだから、この時点で、欧米人の合格は決定的だ。
試験管「今まで長い間よく頑張りましたね。合格予定です。おめでとう」
欧米人は、何度も試験を受け直してきた常連者だったようだ。
彼も苦労してたんだな。
私「本当におめでとうございます」
心からお祝いしたのだった。
再試験のキップを切られたあたしは、
試験管「きちんと講習を受けてきたのは分かる運転だった。やることは分かっているのだから、あとは緊張せずに落ち着いてください」とアドバイスを貰った。
試験感「左折時にふくらむ癖があるのと、予期せぬ状況が起きた時に焦って確認がおろそかになるので、そこを注意するように。」
予期せぬ状況が起きた時に焦る
と言われた時点で、不謹慎にも噴き出すところでした(笑)
第一回目の実技試験は失敗。
次は絶対頑張るぞ!
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