恐怖の鮫洲 ~免許失効記~

@erina

第1話「恐怖の入り口」

「免許失効」



この漢字4文字に込められた、



私の壮絶な再取得のストーリーを思いだすと、



今でも震えそうになる(笑)




もう二度とあんな思いはしたくないし、


しばらく鮫洲には近づけそうもないよ。




誰かが「さめ…」と言い出そうものなら、


凄まじい形相で睨みつけてやる!!(笑)







いやはや。



私の身に一体何か起きたのか。






長い闘いにようやく一区切りがついたんで、そろそろ全貌でも公開しようかなと思って、文章をしたためている次第です。



全ての免許保有者に贈る、珠玉の感動ストーリーを是非ご覧あれ(笑)







冒頭でも言った通り、




わたしは免許を失効した。





上京してから3年で、既に5回の引っ越しを経験した私には、



免許の更新ハガキが届かなかったんだよ(笑)




「なんか温泉いきたいねー。あたし運転するから安いレンタカー借りていこうぜ」



自分が既に、とんでもない事態に足を突っ込んでいたのに、


当時こんな会話を繰り広げていたなんて、なんとマヌケな女よのう(笑)



もうねー、


あの場面にタイムスリップできるとしたらさ。


すぐさま手で口を塞ぎ、力強く抱きしめてやるんだけどな。


そして耳元で「頑張れ」とささやく(笑)





事件発覚当日。



あれは去年の2月のことだった。



その日は平日にも関わらず、



同居人「俺、今日午前中で早退しちゃった(笑)」


俺「え?まじ!俺も早退するわ(笑)」


という事情により、午前中の仕事を終えて、早々に帰宅していた。



せっかく平日に2人揃って帰ってきたんだから、ランチでも食べにいこうと、近所のオシャレカフェに入り、カレーを食していたのだが、



なぜか不意に免許の事が気になった私は、更新日を確認してみたんだよ。




そこではじめて免許の更新日から9カ月も経過している事に気づくことになる(笑)



俺「ちょーちょーちょー。お前(笑)俺更新日過ぎてるっぽいんだが」


同居人「えっまじ!(笑)でも事情話したら大丈夫なんでないかい?」



調べてみると、



更新日から「半年以上1年未満」の更新忘れは、


仮免許のみ取得している状態から再スタートすることになるらしい。



ただし、海外や病気によりやむ終えない事情がある場合は、特例として免除してくれる。






…なるほどな。



であれば、俺は大丈夫だ!!



あー良かった。



ちょっとうっかりしてただけなのに、再取得なんてとんでもない(笑)



ほんと、ひんやりさせられたぜ、まったく~。




なぜか、海外への渡航経験も病気もしていない癖に、当然のように特例扱いになると、信


じて疑ってなかった(笑)



へりくつが得意なもんなので、この調子で警察官も丸めこめると考えていたのだろう(笑





だが、その余裕もまんまと打ち砕かれることとなる。




俺「あっもしもし、更新忘れの件なんですけどー。」



警官には、



更新ハガキが届いていないという点を、10割増し位の演出で伝えてやった。



さあさあ。


俺のやむ終えない事情を、ぜひくみ取っていただこうじゃないか!




だが、警官も負けずに



警察官「仮免許を発行いたしますので、まずは手続きにきてください」



と頑固な姿勢を貫いてきた(笑)




ふざけるんじゃない!(笑)






いやいや。





仮免許ではなく、本免許を発行していただきたい!(笑)




必殺・泣き落としも通用せずに、


社会の厳格なルールにのっとって、本免許を再取得することを義務付けられてしまった。





ちなみに、再取得までの道のりはこんな感じだ。



①鮫洲で仮免許の申請

 →免許失効半年以上一年未満に済ませること

 →仮免許の期限は半年。その間に全ての試験に合格しないと完全失効。


②路上練習5日間

 →証明書に記載


③路上練習証明書をもって、本免許の学科試験を受験

 →90点以上で合格


④学科試験合格後、実技試験を受験

 →仮免許の期限内に、ここまで合格すること


⑤取得時講習受験


⑥免許交付





とんでもないことになっちまった!!!



仕事をしながら、平日にしか開催されない試験を受けるのも大打撃だし、



そもそも上京して、車持ちの友達もいない中で、どうやって路上練習をするんだか。

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