それでも伝えたい想い

@erina

第1話「秘密の図書館」

私は昔から雑学が大好きだ。


「雑学」って表現は、ちょっとおかしいかもしれないね。


だって、勉強している感覚は全くないんだからさ。



自分の知らないことや、知らない世界を垣間見ることが大好き。





あれも、これも、アイツも、コイツも、


なーんでも不思議(笑)




だから知りたくなる。




なんでこうなってるの?



なんでそう思うの?



なんでこうしたの?



なんでこう言ったの?





なんで


なんで






こう書くと、めっちゃウザイ野郎だよね(笑)




そりゃあ~


なんでって思った時に


すぐに答えてくれる人が傍にいればベストなんだけど、



自分の疑問に対する答えをもっている人が


身近にそうそういないことは、ガキの頃より学習済であるw




だからこそ、


自分で疑問に思ったことは、自分で調べて解決することが当たり前になった。






当時は本気で、


こんなに世の中について、


疑問や不思議な「?」がいっぱいなのは、


自分だけだと思っていた。





だって友達も親も親戚も、


そんなことは気にもとめずにふつうに生きていたのだから。




事実、



見たもの、聞いたもの、触ったもの、知ったものに、



イチイチイチイチ疑問をもって悩んでいたのは、



周囲では自分しかいなかった(笑)








私は人よりも歩みがとても遅かった。




当然である。




皆がスイスイ進む道を、寄り道ばかりしているのだから(笑)





もうさ、自分が今まで調べてきたことを書くと、とんでもない量になるわww





よくもまぁ、こんなに沢山調べてきたなって思うし、


調べてきたことは余すことなく覚えている自信もある。






だってさ、



自らが知りたくて知りたくて、


苦労して駆けずり回って得た情報なのだ。





大事に大事に自分の脳内クラウドに保存している(笑)




その脳内クラウドにアクセスできるのは、自分だけ。




小学生のころは特に、


自分の内的空間を広げることを思う存分に楽しんでいた。





誰も知らない自分だけの秘密の図書館を持っているような感覚だ。






まぁ、それから大人になるまで、


私にも色々なことがあった。






自分だけの図書館に引きこもってるだけではダメだということも十分学んだ。





今、自分の図書館には、2つの棚がある。




1つは、自分が調べてきた情報をおさめている。ここにある本のほとんどは、私が小学生の時に蓄えたものである。



もう1つの棚にあるのは、自分の人生経験にまつわる本だ。




今でも、私は時折自分の中の図書館に忍び込み、


自分が貯蔵した本がちゃんとそこにあるかをわざわざ確かめたりする。



自分が何かを決める時に、


私は一番知りたい答えが書いている記述を、


2つの棚から1冊ずつ取り出すのだ。



それを交互に見比べ、決断する。






人間は忘れる動物である。



でも忘れてはいけないこと、

どうしても忘れられないことは

どんなに時が経っても、

記憶のどこかに残っている。




きっと、みんなの中にもあるはずである。



自分だけの図書館が。

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