千景

ほら見てみろ

闇がある

おなじみの闇が

でもどこにあるっていうんだ


やつはもっと情熱が必要だと叫んだ

そしてめらめらと燃え上がった

消し炭も残らなかった

そしてみんな次の焚火を求めて去っていった


こめかみに銃口を当て

引き金に指をかける

その次の瞬間

めでたく昇天し

死に損ない

もう死んでいたことに気がつき

夢から目が覚める


現実と死体は

動き出そうとしないという点において

よく似ている


過去は僕に見向きもしない

ただ僕が進まなかった未来の方を見ている

未来は見えない

どこにいるのかもわからない

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