紅茶というモノについてのコラム
皇 将
第1話 紅茶って何ぞや
まず紅茶を語る前に、『お茶』について語りましょう。そうしないと、説明出来ない所もあるので。
まずお茶とは、お茶の木(学名:カメリア・シネンシス)の新芽と葉っぱを収穫し、それを加工して出来た茶葉、及びその茶葉から成分を抽出した飲み物の事を指します。
ですので、ルイボスや杜仲茶など、お茶の木以外の植物から作られたモノはお茶ではなく、『ハーブティー(茶外茶)』に分類されるワケです。
そしてそのお茶は、発酵の度合いによっていくつかの分類に分けられます。(ちなみにここで言う発酵は、微生物による発酵ではなく、茶葉が持っている酸化酵素による酸化になります)
熱を加えて酸化酵素の働きを止め、青いまま製茶したモノを『緑茶』。
酸化酵素の働きを充分にさせて、茶葉が褐色になるまで酸化させる『紅茶』。
酸化酵素の働きを充分にさせず、途中で止めてから製茶した『烏龍茶』。
ザックリ分けると、こんな感じになります。(実際はもう少し分類があります)
そして、紅茶の中にも色々と分類がありまして、それも解説しましょう。
まずは、ダージリン・アッサムなど、生産地の名前がついている『エリアティー』(専門用語ではないです。便宜上の名前です。)
様々な産地の紅茶を混ぜ、均一な味わいを出した『ブレンドティー』。イングリッシュブレックファーストなどが代表的かと。
そして、エリアティーやブレンドティーに、香料やスパイス・ハーブなどで香りをつけた『フレーバードティー』(正確には、センテッドティーと言うらしいですが…)。アールグレイがわかりやすいですかな。
この三種類に大別出来ます。
最近の流行ですが、
エリアティーですと、産地の名前だけでなく、作られた茶園・収穫時期・その年のいつに製茶したかを表すロットナンバーなどが掲載され、トレーサビリティ(生産・流通の追跡)が可能になってきています。
(例:ダージリン夏摘みタルボ茶園DJ-128)
またフレーバードティーでは、ただ香料を吹き付けるだけではなく、様々なハーブ・スパイスもブレンドする事で、さらなる香りと味わいの深みを作り出しています。
(例:レディグレイ。ベルガモットの香りと、矢車菊の花弁とオレンジピールをブレンド)
今後の紅茶は、さらに様々な進化を遂げると同時に、昔ながらの伝統的な味わいを守る、二つの潮流が出てくると思われます。
しかし、飲んで美味しくなければ意味が無いので、根本的な事は変わらないでしょう。我々、紅茶を淹れて提供する立場の人間も、まずは基本を大切にしないと。
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