百を起こし一を知る
禁忌金属
プロローグ?
ここは、二週目の地球。
西暦五万七千九百十二年に大彗星団衝突による毒ガスの大量放出により地球の生物はほぼすべて絶滅した。
正確には地表に衝突する前に全て燃え尽きたので地表にはほぼ影響が無かったのだが。
地球上のほとんどの生物は原初からの再スタートを余儀なくされたが、大彗星団衝突から四千年後には、既に恐竜が出現していた。
以前の地球では、原初の生物が出現してから恐竜が出現するまで四十億年以上かかっていたのだ。
余りにも進化が早すぎるのには訳があった。
そう、彗星の毒ガスと、ある一人の男の手によってだった。
彗星の毒ガスの中には、生物の進化を促進する効果があるものも混じっていたのだ。
生物たちは有害な物には耐性をつけ、生存競争に勝つための鍵になり得る物は吸収していった。
その結果、異常な速さで、生物は進化を遂げた。
しかし以前の地球で、約十万年前ほどの時期の生物が現れ始めたころ、ガスは地球上から一部を除き消滅した。
進化を促進するガスもその例に漏れず消滅した。
何故消滅したのかというと、生命体が吸収しすぎたためである。
それから生物の進化は以前の地球と変わらない速度に成った。
・・・その時代から十万年とちょっとが過ぎた頃。
以前の地球で言うと大体西暦二〇一〇年近辺まで文明が戻ってきた。
人々は、携帯電話を使い、電車や車、船、飛行機といった乗り物でどこにでも行けるようになった。
しかし、以前の地球とは異なる点もあった。
神は実在したし、宗教は存在しなかったし、魔法が生まれた。
こんな二週目の地球で彼は物語を世界に刻んで行くことになる。
・・・おっと、終わる雰囲気だけれども、もうちょっとだけ説明させてもらうよ。
ちょっと説明下手なもんで。
実在する神は一週目の地球の人間で、地球の神になろうとでも思って大彗星団を堕とした張本人で地球の生命をここまで誘導した人でもある。
まさに、破壊と創造の神でさ。
さっぱり何がしたいんだかわからないよね。
宗教はさっきの神が生まれた頃には衰退していて、もうゲームとかの中にしか存在を確認できなくなっていてた。
だから彼は作らなかったんだろうね。
魔法は、最初のほうでガスがほとんど消滅したって言ったよね?
消滅せずに残った一部のガスに生命の中に眠る魔的能力を開花させる成分があるんだけど偶然なのか運命なのか生命体が近寄らないところにばっかり溜まったんだよね。
そのせいで魔法を使える生物は少ないんだよねー。
なんでボクがそんなことを知ってるか気になる?
気になるっしょ?
ボクはねぇー、時間というか時、そのものだからね。
おっとこんな時間じゃないか。
ん?時が時間を気にするのはおかしい?
いやー、物語が始まるみたいだからね
じゃあボクはおいとまするよ。
また今度会う時を楽しみにしているよ。
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