消したい奴らは陽だまりを愛す
千秋静
第1話 嫁語る・1
お久しぶりね。お義母さんのお葬式からもうひと月経つのね。早いものだわ・・。涼子さんは元気に過ごせているの?お義母さんが亡くなってお通夜から火葬までずっと泣きっぱなしだったから私も達也も心配していたのよ。
私?私はずっとお義母さんと一緒に過ごしていたから、なんとなく覚悟はできていたの。脳梗塞で倒れられた時からの同居だから三年間ね、一緒に暮らせたのは。今思うとあっという間だったわね。
涼子さんも知っていたと思うけど、私とお義母さんは結婚前から何かと揉めることが多くて大変だったの。正直、良くも悪くも忘れることのできないことがたくさんあるわ。まぁ、涼子さんに言っても仕方がないことだけどね。私の実家のことから結婚式のこと家事のこと所作から何から何まで徹底的に否定されてきたわ。そんな関係だったのに私が一人でお義母さんの介護なんてよくできたと思うわ、本当に。我ながらよくやったと思っているの。
あら、やだ。ごめんなさいね、私ばかり喋って。それで、今日はどうしたの?達也が同席しなくてもよかったのかしら?どんなお話しか分からなかったから家じゃなく達也が入院している病院で待ち合わせをしようかと思っていたのよ。
私と話せたらいいの?そう・・・何の話しかしら?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます