消したい奴らは陽だまりを愛す

千秋静

第1話 嫁語る・1

 お久しぶりね。お義母さんのお葬式からもうひと月経つのね。早いものだわ・・。涼子さんは元気に過ごせているの?お義母さんが亡くなってお通夜から火葬までずっと泣きっぱなしだったから私も達也も心配していたのよ。


 私?私はずっとお義母さんと一緒に過ごしていたから、なんとなく覚悟はできていたの。脳梗塞で倒れられた時からの同居だから三年間ね、一緒に暮らせたのは。今思うとあっという間だったわね。


 涼子さんも知っていたと思うけど、私とお義母さんは結婚前から何かと揉めることが多くて大変だったの。正直、良くも悪くも忘れることのできないことがたくさんあるわ。まぁ、涼子さんに言っても仕方がないことだけどね。私の実家のことから結婚式のこと家事のこと所作から何から何まで徹底的に否定されてきたわ。そんな関係だったのに私が一人でお義母さんの介護なんてよくできたと思うわ、本当に。我ながらよくやったと思っているの。


 あら、やだ。ごめんなさいね、私ばかり喋って。それで、今日はどうしたの?達也が同席しなくてもよかったのかしら?どんなお話しか分からなかったから家じゃなく達也が入院している病院で待ち合わせをしようかと思っていたのよ。

 

 私と話せたらいいの?そう・・・何の話しかしら?

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