G6第五戦:トラップRd

第二十二話:カオルコーズ・ブートキャンプ

「はァァッ!?」

 降って湧いたような俺の土下座に、薫子は頓狂な声を上げ対応した。

 ガタッと椅子を引く音が、奴の驚きを端的に表してる。

 確認することはできなかったが、深みのあるその瞳は、ことさら大きさを増してただろう。

「圭介くん。君、自分が何言ってるのかわかってるの?」

 叱責混じりの質問が、俺の頭部を一撃した。

 その言葉尻には、困惑の色さえ垣間見えてる。

 当然だ。

 あまりにも当然の反応だ。

 この俺だって、ほかの誰かが同じような態度を見せれば、いまのこいつと違わぬ台詞を吐くと思う。

 だが、それでも俺は一歩も退かなかった。

 コンクリートに額全部を押し付けたまま、おのれの決意を表明する。

「わかってるさッ!」

 一気呵成に俺は答えた。

「俺は、おまえにジムカーナを教えて欲しいんだよッ!」

「あのねェ」

 奴の声色が一変した。

 呆れの気持ちが驚きのそれを上回ったんだ。

 俺の無防備な後頭部めがけて、冷たい視線が何本も突き立てられた。

 直接視界に捉えずとも、それを実感するのは容易かった。

 一秒、二秒……わずかばかりの時間を経たのち、溜息交じりに薫子は尋ねる。

「一応聞いておくけどさァ、なんでその対象があたしなわけ? 自分の立場ってもの理解してる? 君という人間はね、あたしにとって、いわば『敵』なの。今回のゲームに君が勝ったら、あたしは君に、賞品として自分の身体を提供しないといけないわけ。君も重々知ってのとおり、そういう決まりになってるわけ。じゃあなんでまたそんな相手に、あたし自身が、わざわざ勝つためのレクチャーを施してあげないといけないわけ? いまここで、納得のいく説明できる? それともあたし、君にからかわれてるのかしら?」

「からかってなんてないッ! この上もなく真面目だッ!」

 俺はきっぱり言い切った。

「俺は、本心から頼んでるッ! 薫子ッ! 頼むッ! この俺に、ジムカーナの技術テクを教えてくれッ!」

「そんなお願い叶えてあげても、あたしにはなんのメリットもないじゃない。莫ッ迦莫迦しくて、ハナかんでポイだわ」

 俺の決死の懇願を、あいつは即座に拒絶した。

 取り付く島がないとは、まさにこのことなのだろう。

 俺の両肩に、失望という名の疲労感がズシリと重くのしかかる。

 そのままの姿勢で、顔を上げることさえままならなかった。

 そりゃ……確かにそうだよなァ……

 急速に蘇ってきた冷静さが、自分自身にそう告げた。

 まったくもって奴の言うとおりだ。

 俺とあいつとのジムカーナ勝負には、お互いに大事なものが懸かってる。

 この勝負に俺が負けたら、俺は愛車に貼った「俺の嫁フレデリカ」を剥がさなくてはならなくなるし、奴が負けたら、奴はこの俺と同衾セックスしなくちゃならなくなる。

 そんな「敵」からの救援要請をご丁寧に聞き届けるだなんて、お人好しにもほどがあるってもんだ。

 普通に考えれば、絶対にありえない話だろう。

 むしろ、聞き届けられることを期待するのがおかしい。

 あいつの言い分は至極もっとも。

 もっともすぎて、非の打ち所すら見当たらなかった。

 なんて莫迦なことをしちまったんだ──…

 俺の背中に続けて襲いかかってきたものは、例えようのない後悔だった。

 降臨したもうひとりの俺が、軽率すぎる自分自身を全身全霊で冷笑する。

 アニメや漫画の世界じゃないんだ。

 そんな都合のいい展開が、おまえみたいなのに訪れるわけないじゃないか。

 おまえは、いったい何を期待してたんだ?

 裏切られるような期待なら最初からしないほうがマシだってことを、あの時に、痛いほど叩き込まれたんじゃなかったのか?

 唐突に、絡み合う裸のチャラ男と美少女との姿が心のスクリーンに映し出された。

 そのどちらもが、俺を指さし、嘲りの笑声を高らかに放っている。

 それは、嫌らしすぎて背筋が震える笑いだった。

 一瞬たりとも思い出したくない光景だった。

 無意識のうちに胃液がどっと込み上げてくる。

 そして、やってはいけない失敗をふたたび繰り返してしまった自分自身に、茨の鞭を喰らわせたくなってしまう。

 いや、できることならおのれのこめかみに銃口を突き付け、そのまま引き金を引いてしまいたい──それくらいの気持ちだと言ったほうが、この場合は正確だろうか。

 ところが、だ。

 そんな俺に向かって薫子は、なんと、このお題目を続ける素振りを見せたのである。

 考えられない展開だった。

 思ってもみない展開だった。

 奴は言った。

 それも、いつもの口調となんら変わらぬ口振りで。

「ねえ、圭介くん。ちなみに聞いておくけどさ、君があたしを講師に選んだ、その理由ってのはいったい何?」

 「えッ!?」と思わず顔を上げる俺の目線が、あいつのそれと衝突した。

 予想してなかった現実に、思考が機能を停止する。

 阿呆面を晒すとは、まさにこの状況のことだ。

 だが薫子は、お構いなしに言葉を続けた。

 優雅に足を組み替えながら、上から目線で新たな台詞を紡ぎ出す。

「『えッ!?』じゃないわよ、まったく。君があたしを講師に選んだ、その理由はいったい何かって聞いてるの。もしかして、あたしの言ってることが理解できない? キャン・ユー・アンダースタン?」

「い、いやそれは」

 一瞬言葉に詰まった俺だが、次の刹那、本音の本音を口にしていた。

「頼れる相手が、おまえしかいなかったからだッ!」

 一直線に俺は応えた。

 飾る言葉を護衛に付ける、そんな知恵など浮かばなかった。

 自分で言うのもなんだけど、男としては、随分とみっともない発言だったと思う。

 それを見て「ふふん」と鼻を鳴らした薫子の反応が、その正解をものの見事に証明していた。

 心なしか、あいつの瞳が輝いたような気がした。

 一拍置いて奴は言う。

「ね、圭介くん。悪いんだけど、いま言った言葉、もう一度繰り返してくれる?」

 その要求を訝しんだ俺だが、だからといって、そいつを反故にするような真似はしなかった。

 奴の求めを丸呑みして、俺はまっすぐそれに応じる。

「頼れる相手が、おまえしかいなかったからだ」

「聞こえない。大きな声でもう一度」

「ああ何度でも言ってやる! この俺には、頼れる相手がおまえしかいないんだよッ!」

 挑発に乗ったせいで、発言の勢いが増していた。

 恥ずかしさを感じる余裕は、綺麗さっぱり失われていた。

 間を置かず、薫子の相好が一気に崩れた。

 奴の身体が一瞬震えて見えたのは、俺の気のせいだったんだろうか。

 「そっかァ。なーるほどなるほど」と枕詞を吐いたのち、あいつは、俺の台詞を謳うようにして繰り返した。

「『俺には、頼れる相手がおまえしかいないんだよ』かァ」

 ハスキーボイスが快く弾んだ。

 そしてその直後、躊躇すらせず奴は言った。

「いいわ。今回はその発言に免じて、君の要求を受け入れてあげる」

 それは意外な回答だった。

 思わず耳を疑ってしまう。

 さっきの俺が阿呆面だったら、この時の俺は莫迦面だ。

 ぽかんと大口を開ける俺を尻目に、クスクス声を上げながら、サディスティックにあいつは笑った。

「圭介くん。君って本当にいい度胸してるわ。寄りにも寄って、『敵』であるこのあたしに向かって、勝つためのレクチャーを依頼するだなんてね」

「わ、悪かったよ」

「莫迦ね。誉めてあげてるのよ。気付かなかった?」

 わずかにどもる俺に向かって、目を細めながら薫子は言う。

「ま、どうせいまのままじゃ、あたしの勝ちは見えちゃってるしね。君が独学でどれだけ頑張ってみても、ゲームの勝敗は絶対に揺るがない。確かにそれじゃあつまんないわ。勝負事として成立してない。だとしたら君の言うとおり、ヘタレの『敵』に塩を送って強力なライバルに仕立て上げるっていうのも、賭けを面白くするには悪くない判断かもって考え直したの。前にも言ったと思うけど、あたし、弱いものイジメって嫌いなのよね。だから一応断っておくけど、これ、君を思いやっての決断じゃないから。あくまでも、あたしがこのやりとりを楽しむための決断だから。そこのところ、くれぐれも勘違いしないようにお願いするわ」

「感謝するッ!」

「だからァ、これは君のためにする決断じゃないんだって。耳垢の掃除が上手くできてないんだったら、いますぐ耳鼻科に行ってらっしゃい」

 ふたたび平伏した俺の態度を、薫子は頭の上からピシッと叱った。

 でもその声色には、険しさの気配など欠片もなかった。


 ◆◆◆


 レクチャーの舞台としてあいつが指定してきた場所は、山間部にあるスキー場の一角だった。

 人里からかなり離れたところにあるそのスキー場は、実のところ、数年前に運営自体を廃止している。

 あたりまえだが、ただでさえシーズンオフのこの時期にそんなところへ足を運ぶような物好きは、イリオモテヤマネコの頭数より少なかった。

 週末、土曜日の午前五時。

 天候は快晴。

 朝日が昇ってまだ間もないこの時間に、俺と愛車の「パルサー」は、のこのことそんな場所へとやって来ていた。

 あたりはもう十分に明るいが、山の空気はまだ冷たい。

 鳥のさえずりが聞こえてくる森の樹木の隙間からは、うっすらとした白い靄が道の上にまで溢れ出してきていた。

 行き交う者もいない国道から脇道にそれ、古びた看板に従って坂道を登る。

 ナビゲーションの表示が正しければ、もうすぐ目的地が見えてくるはずだ。

 ガードレールのない狭い斜面を幾度か折り返しつつ上がっていくと、行き当たったのはそれなりに広い駐車場だった。

 大きめの児童公園が、すっぽりそのまま入ってしまうくらいの面積か。

 くたびれたアスファルトの表面からは、ところどころ緑色した雑草が元気に葉っぱを伸ばしている。

 それは、見るからに手入れがされてないこと請け合いという有様だった。

 当然だが、停めてあるクルマというものは、そこにはいっさい見られない。

 この場所が駐車場として用いられてないっていうことは、それだけでもう一目瞭然だ。

「薫子の奴、あれだけ時間厳守を言いつけておいて、自分はまだ来てないのかよ」

 あいつの「インテグラ」が見当たらないのを確認し、俺は思わず毒突いた。

 無理矢理に早起きをした反動で、強い睡魔が襲ってくる。

 欠伸をひとつ噛み殺し、俺は愛車の「パルサー」を、その「会場」へと乗り入れさせた。

 その瞬間のことだった。

 俺の視界に、ひとりのコーチが歩み出てきた。

 どこに潜んでいたものか。

 まったく予期せぬ登場だった。

 そう、その姿はまさにコーチ以外の何者でもなかった。

 紺のジャージにサングラス。

 右手に携えているものは、誰がどう見ても典型的な竹刀である。

 そんな出で立ちで仁王立ちするその佇まいは、コーチという表現しか思い浮かばないそれだった。

 斜に被ったカウボーイハットが、その様相に独自の色をぶちまけている。

「よく来たわね。新兵!」

 ハスキーボイスが朝の空気を一気に斬り裂く。

「その声は薫子ッ!」

 慌ててクルマから降り立った俺は、怪しいコーチに第一声を放った。

「いったいなんだよ、その格好は?」

お黙りなさいシャーラップッ!」

 胸を反らせて、あいつは言った。

圭介二等兵プライベート・ケースケッ! これからきっかり四十八時間、あたしのことを呼ぶ時は、薫子さまではなく軍曹殿と言いなさい! また、その猥褻な口から排泄行為をする前と後には、必ずサーを付けること! わかったわねッ!」

「は……はァッ!?」

「はァッ、じゃないわッ! 『サー・イエス・サー』よッ!」

 状況が飲み込めてない俺に向かって、左手を腰に薫子は怒鳴る。

「いいこと、圭介二等兵プライベート・ケースケッ! 君はねッ、いまのままサーキットに出撃しても、ただ動くシケインにしかならないクソッタレの新兵ファッキング・ニュー・ガイなのッ! いまこの瞬間から本番までのすべての週末、このあたしがみっちり鍛えて、君を一人前のスラローマーにしてあげるわッ! 泣いたり笑ったりできないくらいに、がっちがちにしごいてあげるッ! どう? 嬉しいでしょ? 跪いて感謝しなさい!」

「跪いてって……おい」

 やっとのことでひねり出した俺の言葉を、「どうやら聴覚が不自由のようね」と、あいつはバッサリ斬り落とした。

 竹刀の先で地面を打ち、互いの距離を一気に詰める。

「発言の前と後ろには、必ずサーを付けるよう命じたはずよッ! まさか、本当に耳が聞こえないわけじゃないわよねッ!? じゃあ君は、言われたことも守れないくらいのボンクラなのッ!? そんな君には、圭介なんて立派な名前は相応しくないわッ! 訓練期間中は、君のことをチェリーボーイ二等兵と呼ぶことにするッ! いい名前でしょ? 気に入ったかしら?」

「サッ……サー・イエス・サーッ!」

「結構な返事ね、チェリーボーイ二等兵! 感心したわ! 店に来て、あたしの兄さんをファックしても構わないわよッ!」

「サー・イエス・サーッ!」

 心の底から勘弁してくれと思いつつ、俺は背筋をぴんと伸ばした。

 そんなぶっとんだ出だしで始まった薫子軍曹の新兵教育カオルコーズ・ブートキャンプだったが、その内容もまた、序盤は同じくらいにぶっ飛んでいた。

 まずあいつが俺に指示したのは、駐車場の外縁をランニングで十周。

 そして間髪入れずに、腕立て、腹筋、スクワットの組み合わせを三十回二セットというメニューだった。

 基礎訓練と言えば聞こえはいいが、その内容はジムカーナはおろか、ドライビングにだってまったく関わってないものだ。

 だがしかし、自称・薫子軍曹殿は、俺からの抗議をひと言たりとも受付けなかった。

 ときおり竹刀が臀部に向かって撃ち込まれる。

 その激痛に追われつつ、俺は、奴の指示する訓練を必死になってクリアした。

 自由意思などどこにもない。

 そいつはまさに、戦争映画に登場する地獄のメニューそのものだった。

 ただでさえ日々の食生活が偏ってるうえ、積もりに積もった運動不足が見事に祟り、体力を使い果たした俺は、しばし地面に突っ伏した。

 肺が焼け、重い手足がまるで自分のものじゃないみたいだ。

「さ……さー、薫子軍曹殿……」

 ゼイゼイと荒れる呼吸をそのままに、俺はあいつに話しかけた。

 駄目元で、質問をひとつ口にする。

「こッ……こんなのが、ホントに練習に、なるんですか?……さー」

「ふん。いい質問ね、チェリーボーイ二等兵」

 地面に向かって竹刀を両手で突き立てながら、怪しいコーチは即答した。

「自動車競技は体力勝負ッ! 特に、長い距離を遠征してくるプライベーターにとって、ロングドライブをものともしないスタミナは、必須のものだと断言できるわッ!」

「し……しかしそれは、こんな短期間でモノにできるもんなんでしょうか?……さー」

「莫ッ迦ねェ。そんなのできるわけないじゃない。いくら君でも、それぐらいのことはわかるでしょうが」

「ッ! じゃ、じゃあ、なんでッ!?」

「決まってるわ。潰れてる君を見るのが楽しいからよ!」

 こッ、このサディストがッ!

 俺は、自分の決断を激しく激しく後悔した。

 こんなドSを信じたおのれに、渾身のドロップキックをぶち込みたくなる。

 そして数分後。

 呼吸が整い、やっとこさ座れる状態にまで回復した俺に、薫子は次なる指示を下令した。

 それは、会場の端っこに用意してあった赤と青とのパイロンを、指定の場所まで運ぶことだ。

「パイロンの置き場所は、地面にチョークで記してあるわ。面倒くさがらず、全部正確な位置に置きなさい。はい、スタートッ!」

「イエス・サー」

 やけくそ気味にそう言って、俺はヨイショと立ち上がった。

 パイロンの数は合計五つ。

 うち赤いのが四本で、青いのが一本だ。

 赤いパイロンは、それぞれ二本をペアにして互いに離れた位置に並べ、残った青い一本を、赤いパイロンとは独立したところに置く。

 恐らくだけど、並べて置いた赤いパイロンは、それぞれがゲートの役割を果たすんだろう。

 そう言えば、G6ジムカーナで同様のものがスタート位置とゴールの位置に配されていたっけ。

 要は、その二本の間を通過しろ、っていう、それはわかりやすい目印なのだ。

 パイロンの配置に、さほどの時間は要しなかった。

 作業終了を見届けた薫子が、すぐさま俺を呼びつける。

 そして、パイロンの使い道に関して朗々と説明を開始した。

「いいことッ! 二度は言わないから全身全霊で傾聴しなさいッ! まず君は、ここに引いてあるスタートラインから、あそこに置いたパイロンゲートまでの距離を全速力でダッシュする。ゲートを通過するまで、ブレーキ踏むのは絶対禁止ッ! そして、その先にある青いパイロンを目標にして左Uターンしたら、今度は次のパイロンゲートをフル加速しながら通過するのッ! わかったかしら? わかったら返事ッ!」

「サー・イエス・サーッ!」

 竹刀を大きく振りながら、あいつは俺に念押しする。

 自分では「鬼軍曹」「鬼コーチ」になりきってるつもりなんだろうけど、その振る舞いは、やっぱりどこかユーモラスだ。

 そしてそう感じられるようなったのは、ようやくドライビングレッスンらしくなってきたこの展開に、俺の心がジワリジワリと興奮しだしてきたからだった。

 知らず知らずのうちに、口の端っこが斜め上へと吊り上がっていく。

「サー、薫子軍曹殿。質問があります」

 湧き出る笑みを押さえ付け、俺はあいつに問いかけた。

「とりあえずは、左旋回だけですか? サー」

「『ローマは一日にしてならず』よ。チェリーボーイ二等兵」

 わざとらしいサングラスの奥で、奴の瞳が光を湛えて微笑んだ。

「今日はまず、ゲップが出るくらいの反復練習で、急旋回の感覚と感触とを身体いっぱい染み込ませなさい。小賢しい算段は、ウチに帰ってからでも十分できるわ。なお、タイム計測は十一本目から行います。それまでの間に、自分なりの何かを集中して掴み取ること。いいわねッ?」

「サー・イエス・サーッ!」

「よろしい! じゃあさっそく、自分のクルマを所定の位置に着かせなさいッ!」

「サーッ!」

 薫子軍曹に促され、俺は駆け足でその場を離れた。

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