貧乏OLと腹黒社長。

第1話元同級生が社長だった。

私、山下みなみはおなかがすいています…。

今日も購買のパン1個しか食べてません…。

これでも一流商社である浅岡商事に勤めているのですが…。

父親が昔から病弱…なのに8人も子供こさえるもんだから、長女である私が大黒柱として働いたお金のほとんどを仕送りしているのです…。

おかげでおなかがへっています…。

受付嬢をやっているので、いつおなかがなるかいつも心配です。

おっと、お客様がお見えになった。

「今日浅岡社長と面談のご予約を入れさせていただいております中垣内商事の社長、中垣内です。」

「中垣内様……って、え、どこかで見たことがある顔だと思ったら、第一高校の中垣内くん！？」

と、私がいうと、

「って…お前、山下みなみか！あの貧乏お転婆娘の！」

私は顔が真っ赤になった。

お転婆はともかく…一流商社に勤めているのに貧乏って言われるのはちょっと…恥ずかしすぎる。

「あ…悪い、なんか言っちゃいけないこといったみたいだな。とりあえず浅岡社長にお会いした後、お前の仕事が終わったら食事でもいこうぜ。おごってやるから。」

「はいはい、期待しないでまっております。中垣内社長様。」

「お前も厭味ったらしいな……。」

そんなこんなで、高校時代の同級生が取引先の社長になってあらわれちゃった。

しかも、このあと食事？私お行儀よくできる自信、ないなあ…。