第78話
俺達は早速マッチングしてもらうことにする。
どのランクでも5勝したら次のランクへ、逆に5敗したら下のランクへというものだ。
しばらくするとアナウンスが流れる。
<チーム竜殺しの負債はリングへ向かってください>
「まずは俺達からか。セツナ大きな道も一歩から!稼ぎにいくぞ」
「お兄さん、チャッチャとお金稼いでカジノにいきますよ」
「いや、行かないからね!」
緊張感がないやつだ。
この竜殺しの負債というチーム名は適当に俺が付けた。わかりやすいしな。
ユウヤ達のチーム名は教えてくれなかったがミラが決めたらしいので嫌な予感はする。
俺達がリングに上がると観客が拍手で迎えてくれる。といっても観客はまばらだ。まあみんなの目当ては高レベルの戦いだろうしな。
少し変わったことをして興味を持って貰うか。
「セツナ、あそこの檻の入口に罠魔法仕掛けられるか?」
「お兄さんなかなか悪い人ですねぇ。面白そうなので全然いいですけど」
フフフッと不敵に笑う。頼りになるやつだ。
俺も釣られてフフフッと不敵に笑う。
<それでは、いまよりDランクの決闘を始めます。竜殺しの負債の初戦はベア二体です。
それでは始め!!>
合図とともに檻が開きベアが飛び出してくる!
いや、くる予定だった。
《ドンッ》
氷の爆発がベアを襲うと一瞬で凍りつかされた魔物達。
俺はヒュンッと雷鞭を振るい、氷の彫刻を崩す。
<え.....えっ.....>
あまりの早さに審判も何があったのか理解出来ていない。
試合時間は開始の合図から一秒も経っていない。観客も何があったのかわからない。瞬きをしている間に決着が着いていた。
よくわからないがなにか凄い奴らがいる。そんな感じだ。
そしてようやく審判が口を開いた。
<しょ、勝者竜殺しの負債>
会場がドヨドヨとしている。注目を集めることはできたかな。なにはともわれ初戦は楽勝だったな。俺はセツナとタッチをする。
リングを降りてコロシアム内の広場に戻るとユウヤ達が笑っていた。
「お兄ちゃん達早すぎだよ。なにがあったのかほとんどの人わからないよ」
「いいアイデアだろ?」
俺は戯けてみせた。
「僕達も負けてられないですね。ミラさん!」
いまいちやる気に欠けるミラ。
「稼いだ半分はカジノで使っていいぞ」
その一言で目の色が変わった。
そしてアナウンスが入ってくる。
<チーム絶世の美女と勇者はリングに向かってください>
ん?なにか目立ちすぎる名前が呼ばれたような.....。
フッと上を向き首を傾げる。
視線を戻すとそこにはユウヤとミラはいなかった。
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