第75話

勘定を済まし、酒場の外へと出る。


外は夜だというのに相変わらず煌びやかだ。

キラキラと光る散歩道を歩き宿に向かう。


ユウヤとセツナはお腹いっぱいで満足したのだろう。満面の笑みで歩いている。



かたや俺に担がれている女神様は浴びるように飲んだお酒で気持ちよく眠っている。ドラゴン退治で働いてくれたんだ。たまにはいいだろう。







宿に着き部屋に入るとユウヤはそのままベッドにダイブし寝てしまった。久しぶりのベッドとお腹いっぱいの食事で幸せそうに寝ている。


俺はベッドにミラを寝転ばせ軽く汗を流しに部屋にあるシャワーを浴びにいく。






《シャーッ》


薄いカーテンをしてシャワーを浴びながら明日以降の予定を考える。


(ルナさんが目覚めるまでの期間、強くなるために、そしてなにより返済のためにこの街でやるだけのことをしないとな。まずはコロシアムでどこまで出来るか......。明日はコロシアムに行くか)



そんなことを考えていると急に扉が開く。


《ガチャッ》



「お兄さん、私も身体が火照っちゃったから、こっちのシャワー浴びるね」



.....!!



俺の返事を聞くこともなくスルスルッと音を立て服を脱いでいく。


この薄いカーテンだとそのシルエットも見えてかなりマズイ!


セツナから見たら俺のシルエットも見えているんじゃないだろうか!?静まれよ!静まれよ!心頭滅却!心頭滅却!!



セツナが脱ぎ終わったところで興奮したような声で話しかけてくる。






「お兄さん、私.....もう我慢できません。あの.....大きくて硬そうで.....あぁ」







心頭滅却!!心頭滅却!!俺の理性が滅却してしまいそうだ。俺にはルナさんが!!






「あの使い込まれた研磨跡、年季を感じるキズ.....。私最近初心を忘れてました。あの妖艶な色気が出せる武器を早く作りたいです!」





.....。





あぁ〜。そういうことですか。冒険者が持ってた武器のことね。





スゥーっと冷静になる。そりゃそうだ。この変態武器マニアめ!



隣でシャワーを浴びだした変態にセツナなら出来るさっと声をかけ俺はベッドのある部屋へと戻る。



そんなもんだよ.....そう.....そんなものなんだよ。男の性ってやつさ.....。



(明日から頑張ろう)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る