第66話
「それでどうするんですか?」
セツナがそんなことを聞いてくる。
相手は空を飛んでいて俺とユウヤは近接のみ、俺に至っては10秒限定という括りもある。雷鞭は効かなかったので今回は考えない。
遠距離ができるのは魔法を扱える負債神とセツナ。効くかどうかはわからないがやってみるしかないよな。
「ミラとセツナで氷魔法の攻撃をしてみるか。ユウヤはチャンスがあったら、いつでも攻撃できるよう準備だ」
先手必勝だ。相手がいま動いていないならいくしかないだろ。
「よし。やってくれ!」
セツナと負債神はドラゴン目掛けて氷の魔法を放つ。
「アイシクルアロー」
「アイシクルバレッドver1.1」
負債神の魔法は、氷の矢をドラゴンに向け飛ばす。高い魔力のためか矢の大きさをかなり大きく威力が高そうだ。
対してセツナの魔法は、相変わらずのネーミングだが氷の弾丸を高速で回転させ凄まじい速度でドラゴンに向かって飛ばしていく。威力も一点突破で高いだろう。
先に着弾したのはセツナの魔法だった。
しかしズドッとドラゴンの胴体に当たるも出来た傷は見る見る回復していく。
すぐさま負債神の魔法も当たると思ったが、回避されてしまう。
(回復するといっても回避行動を取るということは不死身というわけではなさそうだな。
相当な速度がないと回避されてしまうので、厄介なのは変わらないがどうしようもないということもないのか)
続けて魔法を放とうとしたその時、ドラゴンは急降下して攻撃を仕掛けてくる。
突然のことに魔法を使おうとした二人は身構えてしまって魔法を放てなかった。
ユウヤが迎え撃つ形で俺達の先頭に立つ。
そして剣を二刀構えドラゴンに向け飛ぶ。空中で回避が出来ない以上悪手かと思ったが今回の剣は風の剣を出していたため空中で方向転換ができる。
ズバッ
最初の一撃がドラゴンを切り裂く。
続いて光の剣で心臓部を切り裂く!
しかし心臓部にある台座らしきもので剣が止まってしまう。
ドラゴンはあまりのことに驚いたのか距離を取る。ユウヤも悔しがりながら戻ってくる。
「お兄ちゃん、あいつの台座すごい硬い。光の剣ですら傷付かないなんて」
「あの心臓部怪しいもんな。この杖でいけるかどうか」
ドラゴンはかなり警戒したのか近寄らずに空中から炎の弾を連続で吐き出してくる。
負債神全力の氷の壁で防御することは出来たが長くは持たないだろう。
(考えろ!いままでの中でなにかやれることがあるはずだ)
そしてあることを閃く。
俺はセツナに出来るかどうかを確認すると、たぶん出来るということだ。
可能性があるなら、そこに賭けるしかない。
ユウヤにはこの氷の壁から先に出て注意を引き付けてもらうようお願いする。
「真さん。わ、わたしもう限界なんですけど.....。そろそろやってもらえませんか.....うぎぎぎ」
負債神も久しぶりに活躍しているがさすがにキツそうだ。
「よし!やるぞ」
俺は覚悟を決め全員に合図を送る。
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