第39話
鍛治町に入るとすごい活気あふれる町だった。
広さとしてはアーベル村の5倍くらいありそうだ。
そこかしこに工房があり客らしき冒険者とお店の亭主らしき人が熱く武器や防具について語っている。
町の中央には巨大な湖がありそこから水路のようなものが各工房へ繋がっている。工房からはすごい煙が立っているが町の中は熱くもなく逆に涼しいくらいだ。よく見ると通路にはミストが立っていた。
でもこんなに工房があるとどこで加工してもらうか迷ってしまうな。
入口付近でキョロキョロ見ているとまずはロイさんがいつも仕入れで世話になっているという店に行くことになった。
町を歩いていくと工房と酒場がものすごい数だ。そのなかでも一際大きい工房があった。ロイさんがここだここだとその大きい工房を指差す。
(こんな立派なところならいい武器が作ってもらえそうだな!)
そう思い俺達は工房の中へ入っていく。
工房内は熱気が凄まじかった。釜、金槌、水の音様々な音が鳴り響いている。
そんな中ロイさんが工房の兄さんへ声を掛ける。
『久しぶり、親方はいるかぃ?加工して欲しいものがあるんだが。』
工房の兄さんは奥の方へ行き厳格そうなおじ様を連れてきた。見た目だけでもTHE親方って感じだ。
ロイさんは荷物の中から金色オークの素材と金色オークの持っていた棒を取り出し親方に見せる。
すると親方は目を丸くし驚いていた。
『なんだこの見たこともない素材は!触るだけでもこいつの凄さが伝わってくるぜ!これを加工させてくれるのか!?誰だこいつを仕留めたやつは?』
ロイさんは俺を見て親方に紹介する。
親方はこんな優男の兄ちゃんがね〜っと信じられないようだった。
『どうも〜。』
アハハっと失笑しながらペコっとお辞儀をする。
すると親方は俺の身体を隅々までペタペタ触ってきた。
『ふむふむ。やはり戦士とかではないな。魔法使いか?』
魔法使いだったらどれほどいいことか。俺は一応治癒使いだということを伝える。その治癒使いも疑わしいわけだが。
『治癒使い〜!?どうやって倒したんだ?』
その通りでございますね。ただあの弓は公に出来ないので適当に誤魔化しておこう。
まあいい。でどんなものが欲しいんだと言われ俺はどんな効果が出そうか聞いてみる。
しかし本当に見たこともないらしく効果はわからないらしい。それでもまずはアクセサリーのような小さなものを作ってそこから効果の様子をみることもできるということなのでまずはアクセサリー作りをお願いすることにした。腕輪を金色オークの素材と棒で2種類作ってもらうことにした。
完成までは1日欲しいということなので素材を預けて俺達は宿に向かうことにする。お金は村長がかなり持たせてくれたらしく心配しなくていいそうだ。ロイさんは武器の完成まではついてきてくれるそうだ。そこからはしばらく修行していくらしい。負債神はさも当たり前のように一緒にいるのでなにも言わない。ルナさんと2人きりだとドキドキしてしまいそうなのでまあいいか。この3日間まあ悪くなかったしな。
宿に着くと男女で部屋に分かれ休むことになった。
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