第38話

特にトラブルもなく旅を始めて3日が過ぎた。



強い魔物が出ることもなく稀に出る魔物もロイさんが武器を振るうだけで倒れていく。



さらに御飯はロイさんが獣を狩って料理をしてくれるので毎食かなり豪華だった。



なんでも出来る男って素敵だ。






俺は歩きながら今後のスタイルを決めていく。

神弓は必ず見つけだすとしてそれがいずれ俺のメイン武器だろうな。雷鞭の中距離も便利で応用が利く、あとはアーベル村でのオークと金色オーク戦で思ったことだが近距離に来られると戦いにくいところか。

素早さを生かして距離を取るかはたまた躱してあえての近距離で倒せるスタイルにしていくか。





俺は頭を悩ませているとルナさんが声をかけてくれる。





『なにか悩み事ですか?私にお手伝いできることはありますか?』




出発前は負債神との関係でちょっとぎこちなかったがどうにか誤解を解くことができた。なにやら負債神自体が女神なのは内緒にしてほしいということなので冗談ということでどうにか誤魔化すことになったのが心に痛い。



『実は今後の戦い方をいま色々考えているのですが力がないので近距離はやめて中遠距離を極めていったほうがいいのか、近距離の戦いを強いられたときのために近距離の戦いのための武器を作ろうかまたは治癒使いとして振る舞ったほうがいいのかずっと迷っているんです。なにかいい考えはないでしょうか?』





ルナさんはしばらく考る仕草をしたあとに


『この世界では武器生成時に素材の強さによって強力な効果をつけることができるのでもし近距離をお考えなら効果次第で強力なスタイルになるかもしれません。もちろん中距離、遠距離の武器にもつけることはできるので悩むところではありますが。これから行く鍛治町はそういった面でとてもお詳しい方もいらっしゃいますしそこで色々聞いてみてから考えるのもいいかもしれませんよ。』




なるほど。神弓まではいかないまでも強力な効果を持った武器ができるならそれを生かす戦いもありだ。幸い金色オークはかなりいい素材だろうしな。



『ありがとうございます。少し焦る気持ちがあったのかもしれません。鍛治町で情報集めて考えてみたいと思います。』



ニコッとルナさんが笑って返してくれる。



この笑顔可愛いなぁっとボーッとしていると負債神がスッと近付き小声で『鼻の下伸びてますよ。スケベ。』



そんなことないし!見惚れてただけだし!





そんな慣れつつある他愛もないやり取りをしていると目的地の鍛治町が見えてきた。

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